亀頭包皮炎 裂傷も専門的にみています。 夜間頻尿の目標達成シート|夜間頻尿の正体 探求本
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第1の柱 前立腺肥大症関連の治療(最下部に統計)

「特に前立腺肥大症を主とする男性排尿障害(LUTS)患者数が数多く通院」

私のクリニックは開業して四半世紀が過ぎ、数多くの男性高齢者が前立腺肥大症を主とする下部尿路症状(LUTS)で処方を受けています。
医療機関への受診行動については「LUTS(下部尿路症状) を苦痛に感じ QOL の低下を自覚した人が医療機関を受診する」といわれています。潜在患者数は多いとされていますが、形態的な点から「前立腺肥大」と診断しても実際は症状に乏しく「前立腺肥大症」とはならず、経過観察をする人も多いです。
 
前立腺体積が小さくても排尿症状を訴える場合もあります。当院通院患者は大多数が「前立腺肥大症」ですが、男性「過活動膀胱」に対しても前立腺肥大症薬を併用をする場合もあります。
前立腺肥大症薬が多種類あり、効果を有効に引き出すために併用治療も行っています。また、前立腺肥大症には過活動膀胱の合併が半数近くにあり、その対応もあります。過活動膀胱についてはhttps://miyakodaclinic.jp/publics/index/128/#block374-695を参照して下さい。
 
処方の他に生活指導を積極的に始めてから、最近の4〜5年は顕著に症例が増え続けました。わかりやすい説明で対応しています。https://miyakodaclinic.jp/publics/index/108/#block336
この生活指導は生活習慣病の予防にもなると思います。規則正しい生活をし、やる気を持って生活し、健康生活を実行することです。
 
前立腺肥大症薬は、一般的に同じ薬の服用継続率が1年で30〜70%に低下します。多くは50%以下です。
そして、前立腺肥大症患者の継続通院率も1年間で50%にまで低下するようです。改善して中止する人、効果が感じられずに中止する人、副作用で中止する人など色々です。
処方間隔は、1ヶ月以内が約35%で、長期処方は42日を中心とした処方です。長期通院の場合、どうしても長期処方を希望されます。
 
当院では、効果が感じられない人をサポートするようにしています。日々の排尿に関する疑問、質問にわかりやすい説明をすることを心がけています。症状が不安定であることによる服薬継続率の低下を防ぐために、徹底した生活指導を行います。それは、色々な専門外の知見を寄せ集めて作った指導であり泌尿器科特有のものではありません。特にQOLを低下させる夜間頻尿の安定した改善には泌尿器科治療とともに自己管理が必要と考えています。

「前立腺肥大症あるいは下部尿路症状(LUTS)の診断過程」

排尿症状と夜間頻尿回数を目安に、内服処方と生活指導で患者管理を行ないます。
IPSS、OABSS、前立腺体積、残尿、尿流測定、PSA測定を基本とします。
なお、超音波検査は医師が画面を見ながらリアルタイムで解説、説明します。
その結果に基づいて内服薬の服用調整を行います。
さらに、夜間頻尿回数を目安に生活指導を行い、尿量と睡眠の自己管理を勧めます。
問診と排尿内容が食い違う場合には、排尿日誌をつけてもらい、分析します。
その分析結果を処方に反映させ、更なる改善を目指します。

当院が行なっている診断の流れ

前立腺肥大症の症状改善のための治療順序(当院)

前立腺肥大症の症状改善のための治療順序 (薬物療法主体)

<問診>

IPSSとOABSSの排尿に関するアンケート聞き取りで全体像を調査  解決の順序を決める

排出(排尿)障害、蓄尿障害の程度、比重を知る  前立腺肥大と過活動膀胱症状の比重、バランス

<検査>

患者さんの泌尿器構造を知る      前立腺のサイズ、程度      超音波検査

排出(排尿)機能を知る       勢い、残尿量          尿流測定 IPSS

蓄尿機能を知る          1回排尿量、切迫尿意、失禁   OABSS  排尿日誌

夜間頻尿の内容を知る       回数、覚醒の動機、夜間尿量   排尿日誌

周辺状況を知る          他病の合併、波及、炎症、癌   血液検査 PSA

<薬物治療>    まずは、薬剤治療を試みる

 排尿障害     1) 排出障害 タムスロシン、ナフトピジル、シロドシン、

                   タダラフィル    デュタステリド

          2) 蓄尿障害 プロピベリン、ネオキシテープ、ベオーバ,、ベタニス             

                  ソリフェナジン、フェソテロジン

          3) 夜間頻尿(多尿)                             ミニリンメルト 

<薬物効果の確認>

  # なめらかな排尿、残尿の減少(50cc以下)、夜間頻尿の改善(1~2回以下)

  # 切迫尿意/切迫性尿失禁の改善・減少、夜間頻尿の改善、膀胱容量の増加(200cc以上)

  # 第一覚醒時間の延長(3~4時間以上)、夜間尿量の減少、回数の減少(1~2回以内)

<薬物治療内容の順序>

   1)、2) の改善  その結果③が改善

   3) が改善しない場合 

    * 睡眠改善、中途覚醒の改善  深い睡眠に向けた生活指導

    * 夜間尿量の減少に向けた生活指導

    * 生活サイクル、運動能力調査、環境、背景

    で改善しない場合 排尿日誌で夜間尿量の比率調査

    夜間多尿治療に向けた適応調査

    適応例にミニリンメルト を投与


<薬物治療効果の限界>

薬剤治療で排尿障害(残尿量)と尿失禁の両方がある場合

  尿失禁を減らし、ある程度の残尿量、排出障害を残す方向で処方する

  両者のバランスがとれず、QOLの改善が見込めない場合、別の治療へ

残尿の改善がない場合  とりあえず留置カテーテル、自己導尿、別の治療へ

<別の治療>

  手術療法   TUR他

  代替治療                            

前立腺肥大症の検査所見 (形態検査)

前立腺肥大症58g 経腹式超音波検査
前立腺肥大 経直腸超音波検査
前立腺肥大症 側葉肥大
前立腺肥大症 中葉肥大

前立腺肥大症関連(LUTS)の処方患者の 年齢分布

茨木市も開業当初よりは、茨木市はかなり高齢化し、80歳代以上の患者さんが増えています。患者さんは比較的元気な70代、80代が多いのが実情です。
 
受診行動が60代から徐々に増えて、70代で急激に増加していくようです。80代でも元気に過ごしている人が増えてきたのでこの年代分布に現れているのだと思います。
 
年代的特徴として、年齢世代が高くなり80歳代になれば夜間頻尿が増えてきます。この夜間頻尿は肥大症の中でもQOLに最も影響を及ばす症状といわれ、内服治療でも改善しにくいとされています。αブロッカーと5α還元酵素薬剤の併用という最も強力な薬の組み合わせの海外の試験(コンバット試験)でも、統計的にはわずかに0.5回の改善しか見られなかったと言われています。そんな夜間頻尿の発生頻度は、当院での調査ではhttps://miyakodaclinic.jp/publics/index/118/#block323に頻度分布を掲載しています。
 
また、合併する過活動膀胱の男性の受診年齢分布をhttps://miyakodaclinic.jp/publics/index/128/#block374-695で参考にしてください。

「前立腺肥大症 の 臨床的進行と手術」に関すること

<手術に至る危険率>

年齢,LUTS の重症度,QOL の障害の程度,前立腺腫大の程度が手術 に至る危険因子といえます。
臨床的進行の危険因子としては,加齢,前立腺腫大,PSA 高値,下部尿路症状, QOL障害,尿流量低下などがあります。
(前立腺肥大症ガイドラインより)
内服で改善の見込めない人は、同意のもとに連携病院へ紹介させてもらいます。
手術に消極的な慢性尿閉の人は、とりあえず自己導尿を勧めています。

前立腺肥大症に関する統計

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