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第4の柱 泌尿器科がん の発見

当院での尿路がんの興味深い臨床経験

突然血尿、大量出血で緊急入院した尿管がん症例 (尿管がんが後で判明したケース)

2018-11-10
   当院を3月に血尿で受診した患者さんについての体験談です。当院で行った検査は、尿検査(潜血−)、超音波検査(腎臓、膀胱異常なし)、排泄性腎盂造影(腎臓:腎盂拡張なし、尿管の流れスムーズ)、膀胱鏡(内景異常なし)、尿細胞診(異常なし)でした。そこで、様子を見るように言って終診となっていました。8月のある日2度の血尿が大量に出たため、救急病院で処置、2度目は入院となったそうです。入院精査の結果、右尿管がんと診断され、手術(右腎臓尿管全摘除術)を受けました。摘出写真を家人に見せてもらいましたが、下部尿管のがんでした。そこで以前の排泄性腎盂造影を見ましたが、全く異常所見は見られないことを家人共々確認しました。こんなこともありうるのですね。尿検査も尿細胞診も意味もない場合もあるのです。
  じつは、後日排尿困難で久しぶりに来院、これまでの経緯を聞いて上記の事情が判明したのです。この日は、尿が出ないとのことでその対応に当たりました。前立腺は正常大で膀胱が尿閉に近いため導尿するも、カテーテルが入りません。そこで内視鏡を行いますと、前部尿道がピンホールほどに尿道狭窄となっており、尿道拡張を糸状ブジーで試みましたが不十分でした。ブジーはブラインドで行うため、金属ブジーが貫通すれば成功ですがそれが抵抗でできず、糸状ブジーがトグロを巻いていたため、土曜日でもあり、連携病院に紹介しました。紹介状を書いた後で排尿した時、すごい勢いで排尿できたと言っていたが、そのまま連携病院に行ってもらいました。定期的な尿道拡張か根治術が必要となります。
 
貴重な経験の一つですが、尿管がんは泌尿器科では、診断しにくい病気です。当院診察時に各種検査で全く異常所見がなくても、原因不明な血尿の場合せめて1年間ぐらいの監視が必要ということです。こんなまれなケースもあるので、第一線で恥をかかないために。
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