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夜間多尿による夜間頻尿の治療の実際

中止の見定め

当院の処方の実際(2020年11月20日現在)

・継続安定症例  13例  平均78.3歳
  60代は1例、70代後半がピークの中心。80代4例(約31%)  
・有効であったがドロップアウト 4例  
・チャレンジ失敗例  22例

失敗例の問題点   
 低ナトリウム、腎機能低下、十分な意思疎通、不規則生活 
 容量、残尿の問題 等。
・継続処方量 
  全て25mgから開始、50mg処方は2例(70代)。  
  80代は25mgで維持   89歳は12.5mg(N a 136)安定。
・安定目標   夜間回数 0〜1回 ほぼ達成可能   
        長期安定処方(現在13名)
・副作用    
 低ナトリウム血症 (超高齢者、低ナトリウム傾向の人に多い)
 (低ナトリウム傾向の人は、水分多飲の人に多いのでは?)
・効果無効  不眠症、中途覚醒のリズムが邪魔をしやすい
       生活改善ができない人、多項目の制限が無理な人、病識欠如 等。
・効果有効   夜間排尿回数が1〜2回で十分な感謝が得られる。
        ホルモン剤だけに効果は確実で速く、安定。
<感想>
○ 初動時  スタッフの協力が不可欠 説明と理解、監視体制。   血液検査。
○ 夜間頻尿に対する抗利尿剤の使用は、泌尿器科的な排尿改善、睡眠改善が整った後にすべき、夜間多尿に対する治療であると考える。
○ 継続処方で著効を維持し続けられる症例を多く集められることは、大変嬉しいことであると思います。

生活指導の重要性

「夜間多尿」に対する生活指導
①夕方から相対的に水分摂取を控える。
②塩分制限、血圧管理。
③夕方、下肢に浮腫が有れば、その解消に向けて下肢挙上など。
④夕方、手足が温まるまで身体を動かす。中強度の運動を10分。
⑤入浴 40〜41℃  10分以上、遅めに入浴。
⑥寝室の室温、湿度の管理。暑すぎず、寒すぎず寝床内気候。
 体温36℃、体表面33℃、寝床内28℃が理想。湿度管理。
 睡眠の生理に従い、適度な熱放散がおきるようにする。

要は、しっかり食べてしっかり動き、ぐっすり寝ることを心がけることである。高齢になってからは、若い人と違って身体が冷えやすい。冷えると熱放散が起きにくく、尿量も増えるし睡眠も浅くなるのです。


抗利尿ホルモンを利用した夜間多尿/夜間頻尿の治療に関する感想

適応症例は多くない!

「夜間頻尿の8割は、夜間多尿が関与している」とよく言われているが、日常診療の経験からは本当だろうか?と疑問を持ちます。また、患者さんの初診時の状態ではないのでしょうか? 
 初診時では排尿障害で生活の乱れもあり夜間多尿もかなり多く見られるかも知れませんが、通院し投薬しておれば、従来の処方効果と生活改善でさらに減って行くと思われます。これは抗利尿ホルモン剤の適応がその8割にあるということではありません。当院では約2〜3%に継続使用が可能であったに過ぎない。夜間多尿と言っても見せかけの夜間多尿が多く、生活指導のみである程度改善することは、ミニリンメルト の第Ⅲ相試験のプラセボの改善成績からも見てとれる。真の意味での夜間多尿と診断できたものでも全体の7〜8%以下にとどまっている。当院調査では中途覚醒をキッカケとした夜間排尿動機が全体の約3割はあると考えており、当然の結果と思っています。中途覚醒をキッカケとして膀胱内圧が上昇し尿意を感じやすい状態となるわけで、要は深い睡眠が長く継続するほど蓄尿量が多くなり、ミニリンメルト の効果も出やすくなると考えます。夜間頻尿の成り立ちはまだまだ奥深く、人間のダイナミックな生理現象には畏敬の念を抱かざるをえません。
 
 
 
 
 
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