亀頭包皮炎 裂傷も専門的にみています。 夜間頻尿の目標達成シート|夜間頻尿の正体 探求本
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亀頭包皮炎と包皮の亀裂

亀頭包皮炎

以下に述べることは、これまでの治療経験から当院の独自の集計、考察であり考え方です。亀頭包皮炎については大学で教育された経験も無く、教科書もないのが現状です。しかし現実は、多くの人が悩み、試行錯誤しているのが現状と言えます。なんでもガイドラインが設けられていますが、こんな病気に論文などは作られないために作られないのだと思われます。

 当院では、大人の亀頭包皮炎については風俗産業に関連して溶連菌によるものがよく見かけられる。最近では、私的交際、夫婦間でもオーラルセックスが増え、感染が起きやすくなっている。問診によるとそれ意外のケースは稀であり、時たま一般皮膚用の軟膏の塗布で科学ヤケドで炎症を起こしている場合もあります。これは、女性の口内細菌による感染であり、1〜数週間後に気づき、なかなか発赤、ビラン、潰瘍などが継続して治らないために受診する人が多いためです。ネット情報で最初からカンジダ性の炎症を疑って来院する人がかなりありますが、治療が長引いていない場合は細菌性包皮炎の治療を優先しています。

 よくあるカブレによる亀頭包皮炎の中には、カンジダ感染を合併しているものもある。女性から直接感染するものもあれば、細菌感染の治療がながびいて発生するものもある。特に慢性化しやすい糖尿病患者の包皮炎によくみられる。糖尿病の人は、尿糖にさらされて雑菌の発育が良く、感染にも弱いために慢性化しやすい。糖を尿に排出することで治療効果を上げるSGLT2阻害薬を服用している糖尿病患者は、尿糖が非常に多いため、いったん付着した細菌が活性化増殖して完治できないケースが多い。治療しても自己管理が不十分であれば、すぐ勢いをぶり返し慢性化していく。自己管理が難しい人は包茎手術が必要となります。

 包茎の人は恥后が原因となることも多い。不潔な自慰行為でも発生しうる。特殊なケースとして、包皮下に硬いシコリを触れて何かと思えば脱転してみると結石状になった恥垢であったこともある。真性包茎でもないのに脱転して清掃することもなく何年も経てばそのようになる。
 
幼児や小児には、恥垢が化膿して陰茎皮膚まで発赤腫脹して気づくことも多い(真性包茎、恥后が原因)。

亀頭包皮炎の治療は、1〜2回の通院で来院されなくなります。単純なものではほとんどが完治しているのですが、一部に若干の症状があったりして自己流で軟膏塗布などして過ごし、結局完治せずに「治らない」と不満を言ってくるケースもあります。通院が途切れていれば自己責任と言わざるを得ません。場所が場所だけに完治がなければややこしくなるのです。治療には意思疎通が必要な病気なのです。







写真は全て亀頭包皮炎です。
上段(左は一般的な亀頭包皮炎、右は潰瘍を伴う亀頭包皮炎)
下段(左は感染性の潰瘍を伴う亀頭包皮炎、右は慢性の亀頭包皮炎で亀裂を伴っている)
亀頭包皮炎は普通は発赤、ビランですが、炎症が強くて化膿汁の合併を伴うこともある。化膿とともに潰瘍が現れることもある。ビラン程度では治療1週間で改善ことが多いが、潰瘍が合併すると皮膚欠損の回復までに数週間かかることもあります。ビラン、潰瘍に硬結を伴う場合は鼠蹊部リンパ節をチェックし、念のため梅毒を疑って検査をすることがベターです。 
 
慢性化すると、包茎ないしは仮性包茎で脱転していると先端部分に縦に亀裂が入ってしまいます。
仮性の脱転で最初に起きるのは輪状の亀裂です。炎症が長引くと包皮の弾力性が失われていきます。
炎症が起こらなくても疲労性皮膚炎で裂けやすくなることもあります。

当院を受診した亀頭包皮炎の症例 49例(2019年7月の治療症例)について。

2019年7月の当院における亀頭包皮炎で受診した症例は49例であり、年代別分類、罹患状況の分類、糖尿病との関連性について統計的に見てみました。今まで見過ごしがちであった背景について検討していきます。

統計的に見ますと、20代、30代、40代が多く、高齢者にも少なからず見られます。亀頭包皮炎の多くは急性の炎症性発赤、ビランが大半ですが、潰瘍形成は4例にみられました。急性炎症はすぐに改善しますが、潰瘍の場合は少し長引きます。慢性的な包皮炎としては仮性包茎の包皮の輪状、横断亀裂(疲労性皮膚炎)や、糖尿病による慢性炎症、肥厚、縦状亀裂(上の写真、下段右側参照)がみられます。これらの亀裂は合わせて2割弱に見られました。急性炎症ほどではありませんが、一旦はすぐに治ります。しかし、原因に対応できてないと徐々に再発します。小児にも見られますが、慢性炎症が続けば包皮萎縮による真性包茎になってしまうこともあります。

糖尿病性亀頭包皮炎の調査(2019年7月の1ヶ月間)

亀頭、包皮が糖尿にさらされ続けると、特に仮性包茎、真性包茎の場合は亀頭包皮炎が起こりやすくなります。
亀頭包皮炎は慢性化しやすく、肥厚したり縦状の亀裂が入りやすくなります。包皮を脱転した時に緊張のかかりやすい場所に亀裂が入ったり、肥厚して脱転できなくなってしまいます<上の亀頭包皮炎の写真の下段右>。そして亀頭包皮炎はなかなか治りません。<図>は糖尿病性亀頭包皮炎の、当院7月治療患者の統計分類を示しています。1ヶ月に6例は多いと思います。今後、長期にわたる観察をしていきたいと思います。
 

亀頭包皮炎患者の動向

1) 単純な亀頭包皮炎の場合
 ・検査のない場合、ほぼ1回で来院しなくなる。発赤、膿を伴うだけの場合、完治したと考えている。
 ・たまに、完全に良くならないと2回目に来院する人は、気にしずき、不安症の人が多い
 ・ケアの方法が間違っている場合。注意事項を遵守していない場合。
    ・潰瘍を伴う場合は、表皮の修復に時間がかかる。
 ・仮性包茎で脱転状態では慢性化している場合が多く、輪状亀裂を伴いやすい。

2) 糖尿病性亀頭包皮炎
 ・SGLT2阻害薬を服用中の人は、治療後も感染の悪化を防ぐ維持管理の継続が必要。
 ・慢性化しやすく、細菌感染の治療が長引けば、カンジダ感染を合併しやすい。
 ・長期に続けば急に仮性包茎が真性包茎になり、無理にむこうとすると縦亀裂が生じる。
    ・腎性糖尿の場合でも同じ状態が起こりやすい。
 ・糖分が細菌の活性化に役立ち、炎症が治りにくい。
 
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