痩せ気味の高齢女性患者さんにβ3製剤(過活動膀胱の改善薬)を2週間服用させたところ、尿漏れは改善したが夜間排尿回数が多いと言う訴えがありました。β3は効いているが夜間頻尿が3〜4回あるといい、ご不満のようです。

<説明>

夜の1回尿量は少ないので、眠りが浅いためだと思われます。β3製剤の効果が夜間には効かず不十分であるわけではなく、中途覚醒と同時に尿意衝動に駆られてトイレに行くのだと思います。中途覚醒を起こさない生活に心がければいいのです。入眠障害でもあれば眠剤を服用するか、そうでなければ、日中の代謝を上げる努力をしてください。日中、よく動いて汗をかき代謝を上げて、体温調節をすればぐっすり眠れて中途覚醒も減り、尿は濃くなります。生活を見直すことをお勧めします。

薬は十分効果を出しており、薬は現状のまま経過を見ていきましょう。

病気はあれば治療するが、体の仕組みを理解して生活改善をしなければ夜間頻尿は改善しません。高齢女性では、不思議と夜間多尿は見られない。もし夜間多尿であれば排尿日誌をつけてもらうが、1回量が少ない場合が多くて該当が難しく日誌の必要がない場合が多い。