亀頭包皮炎 裂傷も専門的にみています。 夜間頻尿の目標達成シート|夜間頻尿の正体 探求本
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「夜間頻尿の正体」のサンプルページと解説

「夜間頻尿の正体」の考え方、サンプルページと紹介    代謝を上げる「夜間頻尿」の探究本!

「夜間頻尿の正体」で冒頭に示したスローガン / 患者さんへの生活指導(都田泌尿器科医院)

 夜間頻尿は夜中に頻繁な尿意や頻繁な排尿を経験する症状です。夜間頻尿の原因はさまざまで、年齢、生活習慣、食事、および身体の生理的プロセスに関連しています。それを個別に解決していかなければなりません。

 基本的には、代謝を上げて深部体温をコントロールして深い睡眠を得られやすくして、夜間頻尿を減らすのが効果的です、日常生活の具体的なスローガンを20項目上げました。試してみてください。これは、「夜間頻尿の正体」の本の冒頭にあげてます。これは、当院の、いわゆる行動療法となります。


1  .夜間頻尿には代謝が関係する     代謝が夜間尿量とつながっています   

2  .しっかり体を動かして汗をかき、しっかり食べて、ぐっすり眠ろう

3  .体内に適度の熱エネルギーを作るには、運動、食事しかなく、不足した場合は入浴で補って入眠しましょう   

4  .座位時間を減らそう! うたた寝の基になり、代謝も低下し、中途覚醒も増えます   

5  .リズム感のある生活と運動と入浴のタイミングに気をつけ、寝る前まで熱エネルギーを温存しましょう   

6  .寝る前に体を冷やしたら、浅い睡眠、中途覚醒、尿量増加につながり、全てが水の泡です

7  .季節に対応した1年間の過ごし方に気づこう

8  .退職後は行動のルーチンワークを持って体力をつけよう  思いつき行動では続きません  

9  .下部尿路症状を持つ人は、内服薬と共に生活指導を受けて自己管理をしましょう

10. 年代ごとに目標を持って、80歳以上になっても夜間頻尿は2回未満にコントロールしましょう

11. 前立腺肥大症と過活動膀胱の治療は、排尿と蓄尿のバランスが必要    80代は特に重要です!

12. 内服処方と生活指導の治療に反応しない場合はプレフレイルの危険信号です!

13. 夜間頻尿には、睡眠の中途覚醒の減らし方が重要です

14. 睡眠には血液移動、深部体温や睡眠パターンが大事 ダイナミックな仕組みがそこにあります

15. 自己管理による睡眠のコントロールは、夜間頻尿対策の最重要課題です

16. 夜間頻尿改善のための目標達成シートは当院の理念であり、その全体像が俯瞰できます

17. 特に高齢者は、夜間頻尿を意識して自己管理し、自立生活を長く続けましょう

18. 環境温度に合わせて生活スタイルを作ろう   それが夜間頻尿には1番効果があります

19. 夜間排尿回数は健康で長生きのバロメーターになります!

20. 特に80 代からは認知機能のためにも考える力が衰えないような日常を維持しましょう 元気な90歳を迎えるために!


 その根拠は「夜間頻尿の正体」の中で知ることができます。特にその項目こキーワードを、下記に示す「目標達成シート」と照合し、該当する章及び目次へと進むとわかりやすいです。そこにスローガンに掲げた根拠があり理解が進むと思います。秋の夜長におすすめの1冊です‼️

 私も後期高齢者になろうとしていますが、最近になって高齢者の気持ちがよくわかるようになりました。ピンピンコロリの問答に現れていると思います。高齢者の生活のことはそれが近づくにつれて身をもって理解することができるのだと思うのです。夜間頻尿のため、健康維持のために何が必要か、何をしなければならないのかを患者さんに伝える時、わかってくれる時の笑顔が仕事にはりを与えるのです。
 

「夜間頻尿の診察の実際」 本に沿った日常診療の考え方

①80歳を越えている患者さんへ

 持って生まれた体力は80歳で使い果たしています。これ以上基礎体力を減らさないために筋力維持、増進を図りましょう。安静時には脳、肝臓、筋肉で熱を20%づつ発生、運動時には筋肉が70%発生させます。普段から体を動かして代謝を上げる生活をすれば、ぐっすり眠れて夜間頻尿も減るのです。夜間の排尿回数は健康生活の目安なのです。元気な90歳を目指すなら、しっかり食べて活発に動き、頭を使う習慣を継続する必要があります。人の世話になる不自由な生活よりは、自分で自身をコントロールできる生活をできるだけ続けたいものです。それには、高齢になって80歳を超えても、意欲を持って生活することが必要であり、ピンピンコロリにも近づくと言えます。人間は恒温動物なのです。その機能の仕組みが根底にあると思うのです。


②夜間頻尿の排尿回数の記録でわかること

 1ヶ月を通して夜間の排尿回数の記録を用紙につけて受診してもらうことがよくあります。それをみれば0回から3回までの頻度がわかります。最も多い中央値で1回であるとすると、ばらつきの日を振り返って考えてもらいます。その日の午後何をしていたのか?、夜間の冷えの程度、寝る前のコンディション、入浴の有無とその内容などをチェックしてもらいます。生活内容が代謝を上げてグッスリ眠れる行動をとっていたかどうかを考えてもらうのです。ここで深部体温の日内リズムを想起して、それに即した行動であったかどうか、そして睡眠前が冷えずにリラックスしていたかどうかを自問自答してもらいます。人間の生活にが幅があり、多少の変化がありますが、年を取れば取るほど修正が効きにくくなり、努力を要するのです。

 排尿に関して言えば、排尿のエンジンは膀胱と前立腺であり、老化と共に機能的、構造的変化をきたします。高齢になると、その時に最も重要なのは膀胱と前立腺の機能バランスなのです。尿漏れがなくスムーズに排尿ができて残尿が無いのがベストなのです。若い人にとっては当たり前のことなのです。エンジンの調整は疾患があれば内服薬でバランスを取ることになります。膀胱の敏感さや鈍感さは薬で調節し、前立腺の出にくさを改善させる内服薬を使います。エンジンの調整ができれば、あとはグッスリ眠れるように上手に生活操縦する意欲と気付きが大切なのです。それが高齢になってから大切な代謝を上げる生活操縦なのです。その生活操縦は体の基礎体力を維持増進させて、健康的な生活の証にもなるのです。

 エンジンの調子を整えるだけの薬さえ飲んでいればいいという考えでは、夜間頻尿に対するは不安定であり、健康的な生活も得られないのです。

 健康的な生活のベースが、夜間頻尿を改善する生活を意味するのです。多くの患者さんを診ていると、顔つき、体つきで夜間頻尿の状態がわかるようになります。フェイスtoフェイスの診療は言うまでもなく必要不可欠なのです。外来では、80歳過ぎた人に対しては、元気な90歳を迎えるようにする目標を立てて代謝を上げるような生活を指導しています。当院では、元気な90歳を迎える人が増えてきました。そしてその患者さん達の中には夜間の排尿回数の中央値が1回以内で過ごす人が多くいます。その患者さんたちの生活史を知ることは、当方にとっても実践で学ぶのに非常に役立っています。

 このように代謝を上げる生活が高齢になってからは重要であり、老化対策のベースになることを確認しています。


③夜間頻尿について生活を聞けば、高齢者の生活状況がわかる

 高齢者の健康状態を夜間頻尿で測ることができます。特に午後の過ごし方が問題です。健康的な行動を起こす意欲、身体機能の状態、筋力や基礎代謝量、家庭環境、精神的ストレスによって代謝を上げる程度が左右される。午後の行動量が少ないと代謝が上がらず、体温調節機能が働きにくい状態になります。汗をかいたり背中を熱くする運動量が最適です。それは、生活環境の温度と体温をはやく馴染ませる効果がねらいなのです。1日に何歩歩くかは一つのわかりやすい目安であり、こだわる必要はありません。そして生活に安静と活動のリズムがあることが重要です。

 じっと座っていることが多ければ体温調節が不十分となり、うたた寝の時間が増えて、動く機会を失ってしまいます。場合によっては夜昼逆転になり、不眠や中途覚醒の原因となり夜間頻尿も増えてしまうのです。その人の環境、身体のステージで最適な代謝を上げる行動をとることが重要なのです。また、プレフレイル、フレイル、ロコモ症候群などの進行ぐあいも察知できると思います。このように夜間頻尿の実態を洞察していけば、高齢者の実生活が手に取るようにわかってしまうのです。


 
 もちろん、この本の考え方に従った診療を行っていますが、患者さんはおおかたこの指導に共感をおぼえてくれます。患者さんには本のことについてほとんどしゃべりませんが、この小難しい本を時々買ったと言ってくれるひとがいます。いつもの話の内容がこの本にありましたと言ってくれます。考えをまとめる上で、本を書くことは大変役に立ちますし、考え全体を記録し伝えることに役立つと思います。(2024年4月)

サンプルページの解説についての「目次」

目次

1  夜間頻尿のサンプルページ
2  サンプルページ その2
3  サンプルページ その3
4「夜間頻尿の正体」に関するページや画像のサンプルを示し、本書を知ってもらうコーナーです。
  1)若年者の睡眠パターン、深部体温、尿量と発汗の関係に関する仮想図について。
  2)高齢者の睡眠パターン、深部体温、発汗と尿量に関する仮想図について。
  3)排尿をコントロールする仕組みとしての深部体温、抗利尿ホルモン、血漿浸透圧の関係に関する仮想図
  4)「夜間頻尿の目標達成シート」は、夜間頻尿の正体に迫る全体像の構図であり、中心です。
  5)『本書の特徴をリストアップ』 推論の深さ、独自のアプローチ、実用性の表示
  6)本書の全体の流れを章ごとにまとめて荒筋を示します。
  7)夜間頻尿の治し方
       8)当院通院患者の年齢別夜間排尿回数を本書に記載しています!
  9)我々は恒温動物。外気温に適応して体内温度環境を整えて生活することの意味。夜間頻尿の原点。
  10)「夜間頻尿の正体」が示す夜間頻尿と恒温動物との関わりの部分の目次<その1>
       11)「夜間頻尿の正体」が示す夜間頻尿と恒温動物との関わりの部分の目次<その2>
       12)代謝は体に何を起こすのか? 夜間頻尿との関係を述べます。
  13)「本書がオリジナルな本と出版社が述べた理由」と「サンプルページと解説」に至った理由と感想
  14)高齢者の理想的な1日のリズム
  15)探究本、ガイドライン、教科書・教育本、啓蒙本、健康・実用本の違い「夜間頻尿の正体」のジャンルは?
  16)「夜間頻尿の正体」に対する初めてのAmazonレビューについて
  17)夜間頻尿の原因が、尿意覚醒か中途覚醒かの問題について! サンプルページの解説。

1「夜間頻尿の正体」のサンプルページ

サンプルページその1

2 サンプルページその2

3 サンプルページその3

4 「夜間頻尿の正体」に関するページや画像のサンプルを示し、本書を知ってもらうコーナーです。

1) 若年者の睡眠パターン、深部体温、尿量と発汗の関係に関する仮想図について。

 拙著「夜間頻尿の正体」が9月26日から発売されました。書店の書棚に並んでいる様子を見て単なる生活指導の健康本を思われると、手にとって中味を見れば啓蒙本的なものでなく小難しい本で初心者がみても分かりにくく、違和感を感じる人もいるでしょう。この本は治療成績と経過観察をもとに夜間頻尿の正体を追い求めた思索の工程をめぐる探究の旅でもあります。内容は、基礎の生体機能や代謝から考えて夜間頻尿の謎に迫り、それを管理していくことで老化対策になると提唱した本です。夜間頻尿を本気で知ろうとする人には最適だと思います。泌尿器科に限らず各分野のエビデンスを利用して作成し、推論を多く加えました。長編でもあり長旅でもありますので、わかりやすく最深部にたどり着くためにサンプルとしてグラフや図も公開して若干説明しておきます。

 夜間の深部体温の変動と睡眠パターンを重ね、発汗から推定する尿量を仮想するグラフです。これによって、深い睡眠が得られると、夜間尿量は減ると推定しています。これは若い人の場合であると考えています。深い眠りを得ようとすれば代謝を上げるか、睡眠負債を作るか、でしょう。あくまでも仮説の話ですが、代謝を上げれば、深い睡眠は得やすくなるし夜間尿量も減るし、中途覚醒が減ることで夜間排尿回数は減ると考えます。
 
 高齢者は生体機能が若者より低下しており、一般的に眠りが浅くなってます。次回は高齢者のパターンをあげる予定です。代謝を上げなければ、結果的に夜間尿量が増えやすいと考えます。その仕組みには、抗利尿ホルモンの分泌、血漿浸透圧が関与しているという仮説を立てています。

 深部体温、睡眠パターン、血漿浸透圧、抗利尿ホルモンや高齢者の生体機能と代謝に従って夜間尿量、夜間排尿回数が決まっていくのではと思います。荒唐無稽な話と一蹴されるかもしれませんが、代謝を上げれば夜間頻尿が改善していくのは確かです。泌尿器科的な疾患を除外できていればの話ですが。しかし、考えると面白い話です。

 幻冬舎の編集企画部、編集部の皆様にも付き合っていただいて感謝です。本書制作前の出版審査の出来過ぎの講評に励まされ、ご指導のもとに構想が現実のものとなりありがたいことです。あとは読者に理解を求めやすくする仕事が残されています。

2) 高齢者の睡眠パターン、深部体温、発汗と尿量に関する仮想図について。

 高齢者の睡眠パターンと深部体温曲線を合わせて、中途覚醒、夜間排尿による影響を受けた発汗と尿量の仮想曲線を描いた図です。高齢者は若い人ほど代謝量が多くないので、血漿浸透圧も上がらず抗利尿ホルモンの分泌もおこりにくいために尿量は増えやすいのですが、睡眠前の深部体温が下がり気味なために深い睡眠が得られにくく、1回目の睡眠サイクルの後で覚醒しやすく、眠りも浅いために尿量も増えやすいと考えます。従って排尿衝動がおきやすくなっており、尿意によるか中途覚醒によるかいずれにせよ排尿行動をとることになります。約90分で1回目の排尿があれば、睡眠時間から考えると、あと1〜2回は排尿することになります。
 
 70〜75歳の人は就労者が約30%と言われています。80歳以上は極めて少ないでしょう。高齢者は就労が無くなってくるため、日常生活で行動のルーチンワーク(日課)がなけれな代謝が上がりません。食欲減退があれば深刻になります。基礎代謝量も減り、生活活動代謝、食物誘導性熱産生のいずれもが低下すれば負の螺旋階段を下降することになります。だから代謝を上げるような努力、ルーチンワークが老後の健康を保証し、夜間頻尿も減らすことになるのです。

 代謝の重要性をお話しします。安静時代謝量は、筋肉、肝臓、脳が約20%づつカバーし、運動時では筋肉が約70%熱エネルギーを産生します。安静時(デスクワーク)と運動時のバランスの取れたリズムのある生活を続けるためには、ストレスの少ない適切なルーチンワークを持ち続けることです。代謝の面から考えると、それが老後の過ごし方の理想的な健康生活であり、夜間頻尿を減らす生活なのです。許されるならば、できる限り仕事は続けることを患者さんには勧めています。脳を刺激することも代謝にとって重要なのです。

 これらのことは、当院の治療中患者さんの経過観察でわかってきたことであり、現在も夜間頻尿の回数を目安にして健康管理もしています。

3) 排尿をコントロールする仕組みとしての深部体温、抗利尿ホルモン、血漿浸透圧の関係に関する仮想図

 深部体温と血漿浸透圧の日内変動曲線の仮想図を考えてみました。深部体温の入眠時のリセット、血漿浸透圧の早朝のリセットが考えられ、それに従って尿量産生が誘導されるとする仮想図です。これら仮想図については、幻冬舎の編集部の勧めもあって、推論、言及していることを分かりやすく示すために作成したものです。

 これに高齢者生体機能が加わって、変動がおこっていると考えます。

 当院の治療成績、経過観察の検討結果から様々なことを考えて、その理由を探しているうちに、代謝の状況が重要な引き金になっていると思います。それをたどっているうちにこのような仮想図にまでたどり着いたわけです。もちろん検証ができることならされるべきと思いますが、その価値があるかどうかは判断されると思います。
 考える旅は興味深いものでしたが、究極は人は恒温動物であることを忘れてはならないという結論でした。筋肉を動かし代謝で体温調節をしていることが根本にあるということです。

 当院通院者では、代謝を上げる生活指導を加えて夜間頻尿は改善しており、読者の健康管理と自己管理に役立ち、老化対策になると思い、この本を出版しました。50〜60歳代から良いルーチンワークを持続していくことが老化対策になり、夜間排尿回数を健康生活のバロメーターとして活用することをお勧めします。

4) 「夜間頻尿の目標達成シート」は、夜間頻尿の正体に迫る全体像の構図であり、中心です。

 夜間頻尿に関係する背景因子を5つ加えて基本的因子を補強して作成した、夜間頻尿をとらえた独自の構図です。代謝、高齢者生体機能、生活習慣の背景因子に加え、尿量に追加した夜間多尿、睡眠に追加した睡眠パターンから構成されています。それぞれの項目に8つのキーワードをはめ込んでいます。

 代謝は、尿量と睡眠の双方の管理に役立ちます。この8つの因子から見ると夜間頻尿の減らし方がわかりやすいと思います。これは夜間頻尿の全体像を表す構図であり、年齢と共に夜間頻尿が増えていく流れの概略を根本的な視点から示していると考えています。

「夜間頻尿の正体」の内容は、この目標達成シートの因子の詳細な説明と関連性、夜間頻尿にどう関わっているのかを確認、推論して出来上がったものです。それを使って最終章の質問コーナーに利用しています。よって、この目標達成シートが本書の中心となっています。この目標達成シートに従えば、人は恒温動物であり、夜間頻尿の原点がその辺にあることを示唆していると思うのです。

 高齢者は生体機能の衰えを自覚して代謝量を減らさないように生活する良い生活習慣を続けることで睡眠と尿量のコントロールを行えば、夜間頻尿を改善させることができるでしょう! 
 興味が沸けば、詳細は拙著をご一読ください。
 

5) 『本書の特徴をリストアップ』 推論の深さ、独自のアプローチ、実用性の表示

『本書の特徴をリストアップ』  


<推論>をあげてみました。
・夜間頻尿と睡眠パターンの関係  睡眠パターンと深部体温の関係  睡眠パターンと発汗、尿量の関係
・深部体温と血漿浸透圧の日内リズムの仮想曲線  抗利尿ホルモンと血漿浸透圧の関係
・若い人と高齢者の睡眠パターンの違いからくる発汗と尿量の関係  夜間覚醒排尿のタイミング
・尿量の産生と、代謝、深部体温、血漿浸透圧、抗利尿ホルモンの関係性 
などで多くあります。チャットGPTでも検証しています。

<独自のアプローチ>とは?
・目標達成シートによる夜間頻尿の考察で、3つの基本因子と5つの背景因子について調べました  
・背景因子は、代謝、高齢者生体機能、生活習慣そして未知の部分を含む夜間多尿、睡眠パターンです
・温度勾配、体温調節による季節対応で夜間頻尿を改善させることができます

<実用性>がある項目を挙げてみました。
・目標達成シートによる個々の夜間頻尿の俯瞰、そしてその解決方法を探れます
・夜間頻尿の実態を知り、年代別、季節関連の変化を理解できます
・内服治療の効果だけでなく、それを左右する生活指導、自己管理の大切さを理解できます
・高齢者生体機能からみた夜間頻尿改善の目標値、年代別の目標値を実臨床から導き出しました
・夜間頻尿について、夜間排尿回数は健康のバロメーターであり、生活改善や老化対策になると考えました
・治療と生活指導に反応しない夜間頻尿はプレフレイルが多いので要注意です 介護が近いです
・高齢者の自立生活の限界を延ばすことについて考えをめぐらすことができます
・季節に合わせた対策で体温調節を行い、代謝を増進させて夜間尿量を減らします
・尿量産生について、1日のサイクルの基本を理解できます

このように、本書は 本気で夜間頻尿について知りたい読者に適したもので、いろいろなことを知って、人の生理的な、生体機能的なことが老化によってどう変化していくのかを理解するのに参考になると思います。内容を見ればわかるように、健康本、実用本である前に、実は夜間頻尿の探究本だと思っています。そして、老後の生体機能の衰退がなぜ起きていくのか、夜間排尿回数を目安にその変化を観察し、どう対応していけば老化を遅らせられるのかを試行錯誤していくのが興味深いのです。この本で、夜間頻尿を通じて健康な老後の生き方が理解できるのではないでしょうか。高齢者にならないと現実味やその真意は分かりにくいかもしれません。

 ここで「探究本」と「ノンフィクション本」との違いを調べてみました。
ノンフィクション本と探究本の違いは、主に内容やアプローチのスタイルにあるということです。

1. ノンフィクション本:
• 事実に基づいた現実の出来事や情報を扱います。
• 著者の個人的な経験や意見も含まれることがありますが、基本的には客観的な情報を提供します。
• ジャンルは幅広く、歴史、科学、伝記、社会問題など多岐にわたります。
2. 探究本:
• ノンフィクションの一部で、特定のトピックに深く掘り下げ、新しい知見や理論を提供します。
• 著者が特定の問いに答えを見つけるために調査や研究を行い、その結果を読者に伝えます。
• 一般的には学術的であり、専門的な知識や考察が含まれることがあります。

「夜間頻尿の正体」は、探究本の一例であり、夜間頻尿についての深い理解や新しいアプローチを提供することが期待しています。

6) 本書の全体の流れを章ごとにまとめて荒筋を示します。

まず、診察室での夜間頻尿に対する生活指導としてのスローガンを20項目ほど上げて、その根拠のために話題を7つの章にわたって展開していきます。

<章の流れ>
[1章] まず、夜間頻尿の背後にある複雑な要因に迫ります。定義、調査、症状、年齢別の頻度について紹介し、夜間頻尿が高齢者に与える影響について考察します。外来診療の実務経験から導かれた洞察も紹介し、夜間頻尿の治療経過に関するデータを提供します。そして、生活指導が夜間頻尿の改善にどれだけ影響を与えるかに焦点を当て、その効果の要因を解明します。

[2章] この章では、夜間頻尿の原因とその位置づけについて掘り下げます。3つの基本因子と5つの背景因子による目標達成シートが紹介され、代謝がその中心に据えられています。背景因子の選択は、代謝を上げて睡眠の質を向上させるためのものであり、それぞれの因子の重要性が強調されます。

[3章] 健康に関わる3つの基本因子である疾患、尿量、睡眠に焦点を当て、疾患管理における診療の進め方や治療順序について詳しく説明します。尿量管理はガイドラインの行動療法との比較を通じて検討され、睡眠管理に関しては中途覚醒に焦点を当て、夜間頻尿との関連性や治療の実践的な側面について論じます。

[4章] この章では、高齢者の生体機能と代謝、睡眠パターン、夜間多尿について詳細に解説します。これらの要素が夜間頻尿の発生原因にどのように関与しているかについて論じ、特に代謝の役割に焦点を当てます。また、若者と高齢者の比較を通じて高齢者の生体機能に関する洞察も提供します。

[5章] 高齢者の生体機能の劣化を考慮し、代謝の増進の必要性を論じます。血液配分、熱放散、尿量の制御についての詳細な解説と、代謝が体に及ぼす影響に焦点を当てます。夜間頻尿対策としての具体的なアドバイスと、高齢者が注意すべきポイントについて詳しく説明します。

[6章] 睡眠と尿量管理の重要性について総括し、季節に応じたアプローチ、目標値の設定、日常のルーチンワークの重要性を説明します。夜間頻尿は高齢者の健康のバロメーターであることを再強調し、早期の生活習慣の改善の必要性を提案します。

[7章] 最後に、質問応答形式で各テーマを復習し、読者の理解を深めます。

 全体の流れのまとめ: 60代後半以降の高齢者の健康に焦点を当て、夜間頻尿を通じて健康状態を詳細に探求します。夜間頻尿は高齢者の生活の質を左右するバロメーターであり、この本はその理解と対策に貢献できればと思い、まとめ上げました。なお、特に第4、5章については、若い方から現役バリバリの方まで、体調やパフォーマンス向上に興味のある方に役立つ、体の仕組みの基本知識が詰まっています。年齢に関係なく、自分の健康を理解し、向上させるヒントを探している方にお勧めの一冊です。是非、日常生活の質を向上させるために活用してください

 「夜間頻尿の正体」は僭越ながら夜間頻尿ついての体系だった成書として出しました。夜間頻尿に関する体系仕立ての本は、論文の集合体の分析で出来上がった「夜間頻尿診療ガイドライン」以外はありませんでしたが、直接患者観察をしてボトムアップして作った体系仕立ての本という意味で、意義があると思います。ただし、学会のヒエラルキーでは、ガイドラインは頂点にある存在ですが、一方で本書は経験談に止まるとすれば最底辺に位置することは承知しています。しかし、単なる経験談からでも、それが豊富であれば体系仕立ての思考展開はできるのです。
 夜間頻尿を健康指標として、健康生活の目安になると思います。特に高齢者は老化対策として活用し、ピンピンコロリに近づけるように診療すると共に自己管理に努めて欲しいです。現在、当院ではこの方針に従って診療を実践しています。

7) 夜間頻尿の治し方

この本を見て、夜間頻尿の治し方はどうなのか?を簡潔にいうとすれば、以下の如くだと思います。
1) まず、膀胱と前立腺のバランスをとれていること
2) 夜間の尿量をコントロールできていること 冷えず、浅い睡眠にならないように配慮すること
3) 睡眠がコントロールできていること ぐっすり眠れるように配慮すること
4) 尿量と睡眠のコントロールは第一に代謝を上げていること
5) 年齢的な生体機能の変化を自覚し、代謝をあげるように対応力を高めること
6)生活習慣を見直し、代謝を上げる効果的なリズムある生活を実行すること

「夜間頻尿の正体」から導き出せるのは上に示すようにチェックすることです。薬による調節以外の自己管理が大切です。
それらの関係性は「目標達成シート」見ればわかると思います。

 日本の疫学調査で70〜80歳代が極めて夜間頻尿が高頻度であるという結果がでていますが、サンプルページはその結果と当院の結果を比較しています。当院の生活指導の併用で著しい改善がえられているのは事実で、半年以上の追跡統計でも具体的数値で示し、証明しています。だから80歳以上でも夜間排尿回数が1回以内の人が普通におられます。生活指導、自己管理が安定した回数減少をもたらすのです。そして超高齢者も疫学調査よりもはるかに良い状態で患者さんが過ごされています。夜間排尿回数が2回未満を目標にしています。
 この本に書いたのは、水分と睡眠の細かい自己規制をすることなく根本的な生活改善を年齢に応じて行うことで自己管理する方法です。本書と他の本との違いは、人の全体的な仕組みに基づいて書いていることであり、夜間頻尿の即効や啓蒙を施すものではなく本気で理解を求める人に向いた探求本です。そして老後生活を見据えて健康を維持する方向性が確認、理解できると思います。夜間頻尿ですべき自己管理は健康を維持する基本的なことであり、代謝を上げて高齢でも維持することなのです。当院ではこの管理を治療と併せて行なってもらっています。


8) 当院通院患者の年齢別夜間排尿回数を本書に記載しています!

 当院通院患者の累積した、年齢別の夜間排尿回数を示したグラフです。薬剤による膀胱と前立腺のバランス調節に加え、生活指導を行う治療をしても、年代が上昇するにつれて徐々に反応できずに夜間排尿回数増えていく傾向は明らかです。特に80代後半から90代は治療抵抗性の割合が増えてきます。しかしながら通院しない未治療の人やコントロール不良な患者は、疫学調査で見られるようにもっと多いと思います。しかし、当院の行うような生活指導、自己管理を併せていけば、かなりの効果が得られていると考えます。これら悪化の要因は代謝が落ちて活力が減退している意欲と身体状況があるのだと思います。そんな生活指導を行なっても治療抵抗性の患者がどうしても増えてくるのです。

 夏冬は特に昼間に家に閉じこもりがちとなり、座ってテレビをながめたり、ついにはうたた寝をすることが多くなり、生活全般のリズムが失われてしまいます。意欲、目的意識、生活の方向性の喪失です。すると代謝も上がらず昼寝も過ぎるために。夜間睡眠時に眠りが浅くなり中途覚醒が増えて夜間頻尿が起こります。これが不可逆的になり固定化すると負のスパイラルに入り介護生活に至ります。
 外来患者にこの傾向が出れば、デイサービス、デイケアを勧めています。自立生活の限界であり、生活のリズムを取り戻すために通所を進めています。それが高齢者の最後の学校なのです。

9) 我々は恒温動物。外気温に適応して体内温度環境を整えて生活することの意味。夜間頻尿の原点。

 夜間頻尿は疾患を除けば、睡眠と尿量に大きな影響を受けます。医師は疾患ばかりに目がいきがちですが、人間自体の生体機能が疾患で曲げられて病気として認識されるのです。だから疾患、病態の背景を探らなければ、「木を見て森を見ず」になってしまうと思うのです。夜間頻尿は生体機能の環境による変化、加齢による変化を考慮しなければならないと思います。
①環境による変化
 人間は恒温動物であり、体温を一定に保つ仕組みを考慮して外気温に馴染んでいかなければなりません。
 日中の活動で代謝を促し、よりよい睡眠(休息)を得ることは、外気温に馴染んでいるのです。
②加齢による変化
 疾患とならないまでも五感や臓器の劣化は起こっています。外気温への反応が鈍くなり、立ち直りが遅れます。
 そして、代謝の低下によって意欲、食欲、基礎体力も低下します。
この2つの変化が夜間頻尿を発生しやすい背景になると思います。だから、この背景因子は夜間頻尿の安定には調整が必要であり、日常生活に取り入れるべく生活指導、自己管理が特に高齢者には欠かせないのです。この意味で、先に掲げた「夜間頻尿の目標達成シート」が理にかなっていると思うのです。

 加齢による生体機能の変化を考慮して環境の変化、外気温に適応して体内温度環境を整えて生活することこそが、できる範囲で効率的に代謝を上げて深い睡眠(休息)を取りやすくする生活なのです。人の体温調節は外気温との温度勾配を血液が担っており、熱産生と熱放散を調節することによって適応して生活しているのです。
 
 このように体内温度環境を整えることによって夜間頻尿の背景、すなわち尿量と睡眠は安定し、疾患の治療効果も安定化するのです。しかし、高齢者の生体機能が劣化しすぎれば、熱産生、睡眠が不足しがちになり、治療効果が得られにくくなっていくのです。恒温動物としての生体機能とは、熱をつくって熱を放散し、体内温度環境を安定させることです。それには高い代謝率を維持し、一定の体温を保つ体温調節機能を持って生活することであり、その基本を再確認すべきです。その代謝の崩れが特に高齢者に起こると、それが夜間頻尿を不可逆的に不安定化させていくのであると思うのです。よって、夜間頻尿は恒温動物の機能をベース(原点)にしているため根が深く、健康の目安、バロメーターになるのだと思うのです。

恒温動物についての概要を見てみました。恒温動物についてはチャットGPTは以下の答えを用意していました。(2023年8月18日)

 恒温動物の主な特徴は次の通りです:
1. 体温の維持: 恒温動物は内部の代謝活動によって体温を一定に保ちます。外部の気温変化に関係なく、一定の体温を維持することができます。
2. 高い代謝率: 恒温動物は代謝率が比較的高く、エネルギーを消費しやすい傾向があります。これによって体温を維持するためのエネルギーが供給されます。
3. 活動範囲の広さ: 恒温動物は外部の温度変化に左右されず、比較的広い範囲で活動できます。寒冷地や暑い環境など、様々な生態系で生存できる能力があります。
4. 生活史の安定性: 恒温動物は体温が一定であるため、生活史の中で特定の時期に行う行動や生殖活動を安定させることができます。
5. 神経制御の調整: 恒温動物は神経系を通じて体温を監視し、調節する機能が発達しています。外部の温度変化に対して迅速に対応することができます。
これらの特徴によって、恒温動物は多様な環境で生存し、活動することが可能です。

 まさに、我々人間の健全な行動の指標はその回答そのものであり、高齢化で補うべき方向性のヒントが隠されているのだと思います。神経制御、代謝による体温調節能力が根底にあり、老化は調節能力の劣化であり、健康のためには高齢者は劣化を防ぐ努力が必要なのです。夜間頻尿は劣化の表れであり、その指標であると思うのです。


 次回は、この恒温動物としての機能が夜間頻尿にどう関係しているのかを、「夜間頻尿の正体」の中で



10) 「夜間頻尿の正体」が示す夜間頻尿と恒温動物との関わりの部分の目次<その1>

第4章[夜間頻尿頻尿と睡眠は切っても切れない関係]の説明
   <恒温動物との関係性>

 体温調節のメカニズムと体の温度勾配の仕組み、深部体温の日内変動の重要性、その補正として運動と入浴の効果、深部体温と睡眠の繋がりに関連して睡眠パターン、睡眠サイクルの重要性を示し、若年者と高齢者の違いを述べています。そして、睡眠パターンと入眠時の発汗、尿量産生の関係についても触れています。血液の流れに乗った熱移動が皮膚から内臓へ、内臓から皮膚へと起こることで、尿量産生が関係しているのです。そこには神経調節も介在し、恒温動物特有のの現象が起こっているのではと思うのです。そして夜間頻尿は睡眠パターンと深く関わっており、若年者と高齢者の睡眠パターンを比較して睡眠と尿量産生の変化を読み取ってください。興味深いことです。詳細は「夜間頻尿の正体」のこの章を参照してください。
 その後で、いわゆる「夜間多尿」について代謝を上げることで改善する仕組みを考察し、血漿浸透圧と抗利尿ホルモンに影響を与える可能性を考察しています。以前から夜間頻尿の原因は夜間多尿が約70%以上と通説のように言われてきましたが、その多くは代謝を上げることで消失する「見せかけの夜間多尿」であると考えています。そして先に示した血漿浸透圧の日内変動と深部体温の日内変動の関連性を意識した仮想図を示しています。その辺に「夜間多尿の正体」を推測しています。
 高齢者の睡眠環境の変化と特徴を踏まえ、排尿パターンの変化と夜間の尿量産生の変化を考察しています。恒温動物の生体機能の劣化がもたらす影響の一つとして夜間頻尿が不可逆的に現れてくるのでは、と考えています。だから、不可逆的になる前に代謝が上げられる状態を保つことが劣化を防ぐことになるのでは、と思います。

11) 「夜間頻尿の正体」が示す夜間頻尿と恒温動物との関わりの部分の目次<その2>

第5章[高齢者ほど体に向き合わなければならない]の説明  
         <恒温動物との関係性>

 高齢者の生体機能の劣化とその対策を考えます。その前に代謝について考え、体になにを起こすのかについて血液移動、熱放散、血液配分についての動的状態について述べます。それから血液配分と尿量について述べ、どうして代謝を上げたら良いのかを考えます。代謝を上げれば深部体温の日内リズムが安定化して睡眠が深くなり尿量は減り、夜間頻尿も少ないです。代謝を上げることによって夜間頻尿を改善させる生活指導が効果的となります。しかし、それでも改善しない、抗利尿ホルモンが直接的に関係する夜間多尿についても実例を挙げて触れています。
 
 このように代謝を上げることが、恒温動物の本来の生き方であり、夜間頻尿改善の原点であるように思えてくるのです。外界の環境に適応し、広く活動できる体からできている人間の体を生かし続けるのが健康生活なのかもしれません。すなわち、外界環境に適応し、筋肉、肝臓、脳を使って熱産生して高い代謝率を維持し、体内温度環境を温度勾配で調節しながら生きているのです。その中で深部体温の体温調節が行われ、特に夜間は深部体温の日内リズムに従って睡眠のリズムが決まり、尿量産生の変化が派生的に起きていると思うのです。だから体温調節が劣化すると睡眠が浅くなり、夜間頻尿が不可逆化することは不健康で生体機能の劣化を示唆しており、その原点が恒温動物としての生体機能から派生していると思うのです。
 だから、生活指導で代謝を上げる自己管理をすればかなり改善するものと思われ、見かけの夜間多尿も改善し、ぐっすり寝ることによって中途覚醒は抑えられ、夜間頻尿は改善していきます。日常診療で毎日チェックして指導しています。その効果は先に示した通りです。そして高齢者の長生きすることの秘訣がわかってきたと確信しています。元気な超高齢者は決まって夜間排尿回数が少ないのです。一般的に85歳以上は、代謝を上げる習慣を持つか工夫しなければ元気な自立生活は保たないと思います。診察室から観察すると、仕事などのルーチンワークに準じたものが必要です。





12) 代謝は体に何を起こすのか? 夜間頻尿との関係を述べます。

 夜間頻尿と代謝の関係性を正面から提案しているのは、あまり見かけず、いぶかしがる人もおられるかも知れませんが、本書でその関係性を詳しく述べるとともに老後の生き方への提案をしています。サンプルページに記述した代謝の概要を再確認してください。しっかり食事をとって肝臓の代謝を働かせ、日常の運動を含めた活動を活発にすることで体内に熱量を作り出し、明日へのリセットでぐっすり睡眠をとることが健全な生活スタイルであり、最も基本的な知識です。体温調節をすることで汗をかくことで尿量を減らしているのです。ぐっすり寝ることは、必然的に汗をかき夜間の尿量を減らし、中途覚醒をおこなさず夜間頻尿にもならないのです。これが若年者では代謝が活発で当たり前なのですか、年を重ねるに従って活動も鈍り、食欲も落ちて総合的に代謝が落ちてくるために睡眠も浅くなり、中途覚醒も増えて夜間頻尿が増えてくるのです。このようにして、代謝は夜間頻尿と深く関わってくるのです。
 ただし、それは前立腺肥大症、過活動膀胱などの泌尿器科疾患があれば、その治療に代謝改善を加えることで治療の安定化をもたらし、夜間頻尿を改善させることができます。もし、泌尿器科疾患がないか軽度であれば、代謝改善で十分な効果が得られることを示しています。
 
 尿量と睡眠の背景に代謝の因子があり、代謝の重要な源である運動量、筋肉量、食事の量が重要なのです。熱量が産生されれば、血液に乗って熱エネルギーが移動し、熱放散、発汗をすることで体温調節がなされるのです。その状態で特に夜間は発汗量に反比例して尿量が減るのです。この仕組みは深部体温で誘導され、血漿浸透圧に変化を及ぼし、抗利尿ホルモンがコントロールされ、尿量が管理されるのです。その結果、睡眠と尿量の管理は代謝によって管理できるのです。細々した注意事項に縛られるよりも、大胆に代謝を上げるような生活をすればいいのです。それは生活習慣病に等しく予防効果もあり、免疫力も向上し、ストレス発散にもなるのです。そして長寿の秘訣にもなるのです。それは多くの高齢者を診察室で観察して教えられたことでもあります。

 若年者も現役バリバリの人も、夜間頻尿に関わりなく日常生活を改善させる恒温動物の仕組みを意識し磨きをかければ、パフォーマンスが効率的になると思われます。すなわち代謝を上げて季節変化する外界環境との温度勾配で深部体温を守り、十分な睡眠を維持できるのです。そして高齢者にとっては老化を遅らせる効果があり、健康維持に役立つのです。


13) 「本書がオリジナルな本と出版社が述べた理由」と「サンプルページと解説」に至った理由と感想

  出版社が「オリジナルな本」ができましたといってました。

 従来に比べて「代謝」と「睡眠パターン」を組み込んで夜間頻尿の正体(真相)に迫っている「目標達成シート」でわかりやすく全体を構成した書物になったからだと思っています。その中には、血漿浸透圧、抗利尿ホルモン、熱放散などとの関連で夜間頻尿の推論が従来になく含まれており、興味をもったためだろうと思います。本書は夜間頻尿の真相に迫りながら生活指導をしているものであり、冒頭の診察室でのスローガンの根拠にしています。最終章でQ &Aにその考えを落とし込んでいく流れとなっています。

 google検索で、「夜間頻尿」に絡めて1項目だけ、例えば「代謝」、「睡眠周期」、「ノンレム睡眠」、「血漿浸透圧」、「暑熱順化」、「寝床内気候」、「深部体温」、「温度勾配」、「体温調節」、「暑熱順化」、「恒温動物」、「健康のバロメーター」、「探求」など本書にあげたキーワードを併記した検索結果はほとんどといっていいほど当院の発信が今のところ検索順位1位です。他のサイトにそれらのアプローチの形跡はほとんどありません。夜間頻尿の探求本として唐突かも知れませんがオリジナルなアプローチであることを証明しており、また検索エンジンのアルゴリズムでも独自の考え方であることがわかります。普通にみたら荒唐無稽な話でしょうが、実際の現場のデータ集計と各方面のエビデンスで構成された夜間頻尿に対する論理構成は、チャットGPTでみても間違っていないように思っています。しかし、読者は大変に戸惑う可能性が高いと思い、信用性の面からも「サンプルページと解説」をできるだけ噛み砕いてホームページ上に載せて理解に努めているとことです。

 発売から約1ヶ月経ち、出始めのご祝儀の売りは一周したのですが、まだAmazonの泌尿器科部門の売れ筋ランキングが4位から88位まで周期的に激しく揺れており、一定数興味を持って見てもらえている読者が居ることがわかりほっとしています。夜間頻尿の部門では3位までに入っているようです。まだ発売から日が浅くどうなるかはわかりませんが、当院のような考え方が井の中の蛙なのか、理解の広がりを見せるのか興味深々です。当院では夜間頻尿の回数で排尿障害と同時に全体的な健康管理を行なっており、現在も好評をいただいており、多くの患者さんが通院されています。その責任からも、これからもプロモーションに努めてまいりたいと思います。

 当院ではもっぱら本書に示すような考え方で 夜間頻尿の患者さんに対応しています。多くの高齢者の生活内容を散見し、夜間頻尿の真相に迫るオリジナリティのある解釈で生活指導をしています。本書の冒頭に提示したスローガンによる生活指導で夜間頻尿がどれだけ改善するか、試してみてください。複雑な規制をなくし、代謝を上げて冷えないように、眠りが浅くならないように生活を工夫するだけでどれだけ改善するかです。なお、夜間覚醒時に水分をとっている人は除外です。あとは、夜間回数をメモし、前日の行動を振り返る癖を作ることです。開業医の患者層レベルではかなり効果があると思います。病院で各科複雑に治療を受けている患者層では単純ではないかも知れませんが。ただし、泌尿器科疾患があり、それが内服でコントロールできていない人は除外です。

 診察している当方は、傍観者でもあるし実践者(同世代)として老化対策の糧にしていきたいと思っています。やはり多くの患者さんに接して生活内容も直接話を聞くことで、自分の参考にもなります。若いと思いながら知らぬ間に歳を重ね、自分自身のためにも試しながら診療するので大変興味深いことです。若い人を診て世情が読み取れるし、高齢者なる過程もそしてその先の実情もわかるような気がするし、人生全体の過程を見渡して日々教えられます。排尿に関する日々の悩みも、季節ごと、その日ごとに変化に富んだアドバイスをして、できるだけ排尿状態を理解し、健康で長生きされるように支えていきたいと思います。本を出版する過程で考え方もより補強され、滑らかな引き出しの出し入れができるようになり、毎日の診療に役立っています。当院を受診し、安心を得て帰宅してもらうことが第一です。





14) 高齢者の理想的な1日のリズム

 夜間頻尿改善のための「高齢者の理想的な1日」について左のサンプルページで述べています。

 基本は『しっかり食べ、しっかり動いてぐっすり寝る』こ とです。高齢者の生体機能からみれば、劣化していく体内環境を補う生活スタイルが必要 です。目的に対する意欲を持って生活活動水準を維持し、いつの季節でも代謝をあげて熱 放散の蒸発(発汗・蒸泄)の機会を持つことです。体内に熱エネルギーを作り、適度にた めるには、動くこと(筋肉消費と脳消費)、食べることしかありません。不足している時にさらに効果的にため
込むには、入浴が一番効果的でしょう。この つを駆使して熱エネルギーをため込み、温度勾配を適切に維持して入眠しやすくするのです。
 人の体は外界と体内からの反応で絶えず変化します。箇条書きの公式は当てはまりません。季節の変化に合わせて全身の温度勾配を調節するには、効果的なものとしてこの つと行動性体温調節しかありません。行動性体温調節とは、衣服、エアコンなどによる温度調節のことを指します。温度勾配を守り冷えやうつ熱を取り除いて、リズムある生活が理想なのです。特に高齢者は睡眠時に深部体温を下げないように努めるべきです。

 それには、動くこと(筋肉消費と脳消費)のルーチンワークを持つことです。いわゆる日課ですね。意欲を持って生活の方向性を失わないことです。筋肉消費、脳消費、食欲消費の3つは安静時代謝量のなかで6割以上を占めており、運動時には筋肉消費は6割以上になり一気に代謝量は増えるのです。これらは熱エネルギーを産生消費する恒温動物としての身を守る仕組みなのです。適度の脳トレーニングも安静時には必要で、認知度を維持することになります。

 そして男性の3つの死をできるだけ遅らせることが重要です。60〜70代で壁に当たる男性機能の問題、社会参加の問題、そして本当の死です。男性ホルモンの下降が認知機能との関連性を問題視する向きもあります。一方で前立腺癌のホルモン治療でも90歳を超えて認知が衰えない人もいますので、一概には言えません。しかし、ルーチンワークを持つ人は、90歳を超えても元気な人が多いのです。そして、夜間頻尿も少ないのです。

 だから、代謝が下がるために増える夜間頻尿は、健康のバロメーターとして活用できるのです。高齢になってからの基礎体力を保持するための長期を見据えた考え方を持ち、日々の修正点を改善する生活のリズムに気をつけるようにして、できるだけ心がけるのが良いと思います。

 生活に方向性を失い、昼間を目的意識もなくボーっとして過ごし、時にうたた寝するようになれば、代謝が上がらず冷えやすくなり眠りが浅くなりがちです。すると中途覚醒が多くなります。高齢で80歳を過ぎると過活動膀胱症状が出やすくなり、排尿行動を取りやすくなり夜間回数が増加します。このパターンが通常化すれば昼夜逆転となります。そして負の螺旋階段を進み、要介護状態へと進む恐れが強くなります。筋肉、脳、食欲が機能低下していくのです。だから夜間頻尿の状態を観察することは、健康の目安になるのです。

 



15) 探究本、ガイドライン、教科書・教育本、啓蒙本、健康・実用本の違い  「夜間頻尿の正体」のジャンルは?

 本には色々なタイプがあります。探究本、教科書(教育)本、啓蒙本、ガイドライン本、健康・実用本そして論文誌です。泌尿器科本のAmazon売れ筋ランキングでは色々なタイプの本が並んでいます。「夜間頻尿の正体」のジャンルについて考えてみました。チャットGPTを使って「探究本」とその他の本の違いについて調べてみました。(2023年11月10日)

 1.    探究本(Exploratory Books): 対象読者は一般の読者や広い層の人々を対象にしています。
• 特徴: 探究本はテーマやトピックについて探求し、新しい視点やアイデアを読者に提供します。通常、著者の独自の見解や研究結果、体験に基づいています。広い範囲からのアプローチであり、テーマについてより幅広い視野で議論されることがあります。そして、書籍として商業的な本として公表されます。査読はありません。
• 目的: 著者がテーマについて深く考察し、読者に知識の深化や新しい理解をもたらすことを目指します。学際的であることがあり、学問の境界を越えて広い視野から取り組まれることがあります。

2. 教科書・教育本(Textbooks):
• 特徴: 教科書は特定の学科や科目に関する基礎的な知識を提供します。通常、教育機関で使用され、体系的な情報を掲載しています。
• 目的: 学習者に対して基礎的な概念や理論を教えることが主な目的です。通常、章立てや課題が組み込まれており、学習の進捗に合わせて進むことができるようになっています。

3. ガイドライン(Guidelines):
• 特徴: ガイドラインは特定の手続きやプロセス、ベストプラクティスに関する指針を提供します。医療やビジネス、技術などさまざまな分野で使用されます。
• 目的: 特定の作業やプロジェクトにおいて、適切な手順や方針を提供し、効果的な行動をサポートすることが目的です。通常、標準化された手法やプロトコルに従います。

4. 啓蒙本(Enlightenment Books):
• 特徴: 啓蒙本は一般的に、読者に知識を提供し、理解を深めることを目的とします。通常は教育的で啓発的な内容を含んでいます。
• 目的: 読者が新しいアイデアやコンセプトを学び、自らの知識を向上させることを促進します。啓蒙本は広範で一般的な知識を提供し、読者に新しい視点をもたらすことがあります。

5.  健康本、実用本
•  特徴: わかりやすい言葉で図や写真を駆使して健康や実際に役立つ内容を載せています。
•    目的: 一般の読者に対して健康管理や実用的な知識を提供する。具体的なアドバイスや実践的な方法を紹介する。例: ダイエット、フィットネス、心理健康などに関する健康ガイドや実用本。実際の問題に対処し、スキルや能力の向上を支援する。

 これらから、「夜間頻尿の正体」はやはり実用本ではなく「探究本」的なものと考えました。なぜなら著者独自の体験、統計的分析と他領域のエビデンスから夜間頻尿に対して深く知識と理解を深めて、読者に新しい解釈・理解をしてもらうことを目指しているからです。Q&Aで健康・実用本として自己ヘルプ、生活習慣改善のアプローチを唱っており、読者には実行をお勧めしているのですが、ホームページに「探究本」として提示することにしました。なお、単に経験データや感情に基づいて作ったノンフィクション本ではないと思っています。探究した代謝に関する考え方で生活すれば健康本・実用本として貢献できると思います。ランキングの全体を眺めると「探究本」的な書籍は珍しいようです。

論文誌の位置を追加です。
論文(Academic Paper):    対象読者は主に専門家や学者を対象にし、学術的なコミュニティで共有されることが期待されます。範囲と深さでは通常、特定の研究やテーマに焦点を当て、深い掘り下げが求められます。
• 形式: 論文は一般的に学術的なジャーナルや学会のプロシーディングスなどに掲載される短い学術的文章です。通常、厳格な構造と形式に従います。査読があります。
• 目的: 論文は特定の研究に焦点を当て、独自の研究方法、結果、結論を提供します。通常、新しい知見や研究に対する貢献が期待されます。







16) 「夜間頻尿の正体」に対する初めてのAmazonレビューについて

初めてのAmazonレビュー、ありがとうございます。60代の何処かの泌尿器科通院患者さんのようです。本の内容が難しくて読みくたびれたとのご指摘、ごもっともです。本というものの出版が初めてなもので、深掘りのため内容も多く書き方も小難しくなり、一般の読者に対して申し訳なく思います。

 わかりやすい方法としては、冒頭のスローガン(基本は①〜⑥)を読んで知りたい部分を第二章に記載した「目標達成シート」の中で見つけてください。このスローガンは生活指導の要約のつもりです。この斬新な指導が本書の趣旨の一つなので、その理由を理解するのに目標達成シートを利用してください。その根拠に辿り着くはずで、夜間頻尿、老化対策のための自己管理に役立ててください。全てを精読しなくても必要と思われる部分だけを飛ばし読みしても構いません。生活に必要な興味がある部分だけを読まれてもいいと思います。この点は、出版社の編集部にも指摘されていました。第四、第五章は夜間頻尿の探究のための部分なので、これは著者として自分の興味に走りました。しかし、そこで指導の根拠を示したつもりです。

 ざっくり言えば、代謝を上げて生活し、深い眠りを得やすくして夜間頻尿を減らす生活修正をすれば、老化対策にもなるということです。特に季節に対応した処し方で体調を管理してください。このような生活指導が夜間頻尿を改善し、それが健康の目安として役立てば幸いです。

 なお、漢方薬について記載がないとのご指摘の件。私個人としては漢方に詳しくないし、体質に合わせた処方を適切に選択して確実な効果を予見できないのでほとんど使っていません。漢方薬で体を温め、膀胱及び前立腺に確実な効果が得られるようであれば、使いたいと思います。効果の具体的なメカニズムが気になります。現在使用している医薬品は、効果のメカニズム、ダブルブラインドの治験を出しており、効果、副作用を理解しているつもりです。それと、薬の種類が増えるのを望まない患者さんが多く、確実に効果を出せる薬を優先した結果であり、患者さんが希望すれば漢方薬を処方することが多いです。患者さんが「市販の漢方薬を併用して服用していいか?」と聞かれれば「邪魔にはなりませんよ。」としています。




17) 夜間頻尿の原因が、尿意覚醒か中途覚醒かの問題について! サンプルページの解説。

 夜間頻尿の原因が尿意覚醒か、中途覚醒かの聞き取り調査を1年以上行い、両者の割合の意識の変化を観察しました。それがサンプルページの画像です。聞き取りされる患者さんは、返答に迷うことも多いと思いますがある程度の傾向が得られました。一般的に寒い時期は尿意覚醒が多く、暑い時期では中途覚醒が多くなります。尿意覚醒が多いからといっても1回尿量は少ないことも多く、膀胱が過敏になり必ずしも多尿ではないのです。過活動膀胱の傾向があれば、その治療薬でかなりの回数減少が得られます。また、尿意覚醒の膀胱刺激を減らすには、深い眠りが得られるように努力することです。すなわち、代謝を上げて体内に熱エネルギーを適度に貯めて入眠に臨めばいいのです。

 結局尿意覚醒であれ中途覚醒であれ、はっきり区別できなくとも深い眠りを得ることさえできれば、夜間頻尿が減少できるのであり、生活指導、自己管理の面で重要であると現在考えています。その区別にはこだわりませんが、中途覚醒は重要な影響を持っていると思います。中途覚醒の傾向は布団の中が寒くても暑すぎても目が開き、トイレ行動のきっかけになるのです。

 この夜間頻尿の原因調査が患者さんにとって決して無理な質問でないことは、後になってチャットGTPでも確認しています。

本に載せられなかった、キーポイントとなる参考図が2つあります。①深部体温の日内変動を示す図です。

 この図は深部体温の日内変動を示す図で、入来正躬(2003)「体温生理学テキスト」(株)文光堂 に載っています。「夜間頻尿の正体」の175ページに由来を示す記述をしています。本のなかに載せた睡眠パターンとの連携を示す図の参考にしています。この図から、若年者の深部体温と高齢者の深部体温の違いがよくわかります。それを念頭に高齢者は睡眠パターンを若年者に近づける工夫が必要なのです。そうすることでぐっすり眠り、夜間頻尿の改善につながるのです。
 この図で人は睡眠時に深部体温がリセットされ、新たな1日を迎えていることがわかります。それは血漿浸透の日内変動へとリレーされているように思えるのです。深部体温の急降下は睡眠前の深部体温の高さによって決まると言われ、睡眠パターンに影響を及ぼします。夜間グッスリ眠れれば血漿浸透圧も高くなり、抗利尿ホルモンも分泌量が増えるはずです。そして朝方の浅い睡眠、生体覚醒、起床時の寒冷暴露、朝の水分摂取などにより血漿浸透圧が低下して、抗利尿ホルモンの分泌が減ります。そして朝方の薄い尿が多めに出て頻尿気味になるのです。

 このような生体機能を理解すると、高齢者が日常の過ごし方、夕方からの過ごし方、季節への対応、睡眠前の過ごし方に気がつくはずです。夜間頻尿を減らすための自分でできることは、高齢者の生活改善なのです。夜間頻尿の目標達成シートで全体像が俯瞰できます。

 次の②の図は、血液動態から実生活への対応を考えさせられるものなのです。

②運動時の血液配分を示す図で、運動時と安静時の血液の配分がわかります。

 安静時と最大運動時の血液配分を臓器別に示した図です。「夜間頻尿の正体」本の243ページにこの図を紹介する記述を載せています。「運動生理学の基礎と応用」という本に載っていますが、これにより、熱エネルギーがどこでどのようにして産生されるかが納得できます。すなわち、安静時と運動時の代謝の違いがわかります。人は安静時には脳、肝臓、筋肉から約20%づつ熱エネルギーを産生するので、頭を使い、食欲を維持し、筋肉量も維持する日常が大切なのがよくわかります。ここで注目なのは、安静時と運動時の腎臓への配分の変化です。運動すれば、尿量は当然ながら減るのです。また、特に高齢者は、時には運動をして熱エネルギー、代謝をあげて補う心掛けが必要なのです。人の体は絶えず動きを伴い変化します。日常は静止状態ではないのです。病気があれば静止状態は増え、代謝が全般的に低下します。病気の種類によって影響の増減は決まっていくのです。

 これより、高齢者は日常にルーチンワーク(運動の日課)を持ち、生体機能が低下しないように筋肉、脳、食欲を維持していくことが大切なのがわかるのです。そしてそれが深部体温をコントロールし、深い睡眠を獲得することによって生体機能の低下という悪循環を断ち、それとともに夜間頻尿が少ない状態で生活できると思うのです。


以上①、②の図は編集部に止められていたものなので、補っておきます。
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