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第4の柱 泌尿器科がん の発見/治療

<当院のがんに関する早期発見手法>

腎腫瘍、腎盂/尿管腫瘍:超音波検査、尿細胞診、排泄性腎盂造影、ファイバー内視鏡
膀胱がん       :超音波検査、尿細胞診、ファイバー内視鏡
前立腺がん      :PSA、触診、経直腸超音波検査(TRUS)
睾丸腫瘍       :触診、超音波検査、血液検査
 
がんのチェックはタイムリーに行うことを心がけています。
がんの特性を考えた経過観察も重要ですし、見逃しを避ける努力も必要です。
必要に応じ、CT、MRI、組織検査を追加指示します。
発見すれば、ご希望の連携病院へと紹介しています。

<膀胱がん>

  膀胱がんは肉眼的血尿がきっかけで発見することが多いが、最近では尿細胞診の陽性がきっかけとなって発見することが多かったです。
尿潜血陽性の場合、高齢者は定期チェックが必要です。尿潜血(±)でも進行癌があとで見つかる場合もあり、診断の奥深さに気づいたこともあります。また、尿潜血(‒)でも経腹式超音波検査で見つかることも時々あります。よって、排尿障害の経過観察で残尿測定などが膀胱がんの早期発見に役立つことがあります。
  しかし、超音波検査でも見つからず、尿細胞診などで悪性所見の可能性を指摘されることもあります。尿潜血のある場合、時たま尿細胞診が必要です。先入観は禁物であり、客観的チェックが必要です。経過した時間は取り戻すことはできず、見落としは信用失墜、不信につながります。
  最終的にはファイバースコープで確認し、組織生検で確定します。肉眼的血尿の場合は、超音波検査の後で速やかにファイバースコープを行いますが、そんなに苦痛なく楽な検査になりました。迅速精査、速やかな診断、速やかな対応と連携病院への紹介がモットーです。
 

<平成29年度がん登録数>

注   平成29年度は、尿細胞診がきっかけで発見された症例が多かった。その症例を細かく見ると、尿細胞診や超音波検査で偶然発見した症例が8例、PSA検診3例、血尿検査での発見が10例など、無症状例の発見が多い。当院で組織生検を行い確定したのが27例中24例、限局性がほとんどで、前立腺癌の遠隔転移発見例は2例でした。今後も早期発見に努めたいと思います。
   数回の検査のうち1度だけ尿潜血反応が(±)であっても前立腺肥大症に隠れて進行膀胱癌が潜んでおり、後手を踏んだ症例の経験がありました。そこで院内通院患者の尿潜血反応の見直しと尿細胞診を適宜実施したところ、平成29年度、細胞診での発見が5例、超音波検査での発見が3例ありました。内視鏡所見でいずれも軽い小さな膀胱癌が見つかりました。見慣れすぎた軽い尿潜血反応にも注意深いフォローの必要なことが今更になってわかりました。過剰診療を注意しなければならない立場であっても、注意深い適切な管理が必要なこともよくわかりました。前立腺肥大症においても薬だけ処方を希望する患者さんも多いですが、管理チェックがあってこその処方であることは忘れないようにしましょう。
 
 
 

平成28年度がん登録

28年度がん登録では、前立腺癌10例、膀胱癌9例でした。遠隔転移例は1例のみで、PSA検診、PSAフォロー、尿潜血にたいする尿細胞診チェックで見つかった症例が多いようでした。

当院における前立腺癌のホルモン療法の現状 2022.6.3

当院は開設以来満30年を迎えます。長年の調査すべき懸案であったクリニックのホルモン療法について、この機会に纏めてみました。

高齢者の多い当院の現在のホルモン療法(ADT)を検討すると、交替療法までの期間は平均3年5ヵ月であり、フルタミド処方期間は平均3年4ヵ月でありPCRC(去勢抵抗性前立腺癌)に至っていない。交替療法では80歳以上が78%、処方期間では2年以上が55%を占めている。よって、身体的終末への移行がPCRCへの移行より優勢状態にあるのかもしれない。


患者の行末においては前立腺癌死亡例はほとんどなく、他病死の他は最後は施設入居による転院で診療を終えるケースがほとんどである。

最近でも6例以上は思いつく。 癌が進展せずに終末を迎えている。

そして多くはPCRCに至ることなくホルモン治療は終息し終末を迎えるケースである。

フレイル、認知症、自立困難により家庭管理が困難になり、療養型施設等へ入居するケースがよくみられる。

他病の悪化により転院するケースもある。他病死で終わるケースも多い。

特に80歳以上の早期癌高齢者の場合、ハイリスクタイプでなければホルモン治療で穏やかに健康寿命を完うするのが前立腺癌の特徴である。

早期発見した高齢者では進行癌化するケースは稀である。


地域に密着したクリニックの見方ではあるが、80歳以上の早期癌患者では、ホルモン治療は穏やかに生命を完う出来る有益な治療とおもわれる。

日本男性の平均寿命は2020年では81.64歳、80歳の平均余命は9.42年といわれている。

今回の集計データの詳細は折に触れて載せていきます。

現在のホルモン療法通院者 2022.5

まとめ   当院のホルモン治療55例の現在進行形  2022.5

今回の調査では、85歳以上が51%、5年以上の治療歴が43%で超高齢者で長い経過の人が多かった。
10年以上の長期治療患者も55例中7例(12.7%)いる。
当院生検症例はPSA20以上かつグリーソン8以上はいなかった。
PSAがビカルタミドでnadirから反転上昇があるのは55例中20例
反転症例は代替療法としてフルタミドを使用
現在のフルタミド使用例は18例で改善11例、安定3例、漸増4例
漸増症例はゆっくりの上昇のため、いまのところ経過観察で十分である
フルタミドから変更の第二変更はエストラサイト1例、イクスタンジ1例
PCRC治療は1名のみ
現在、病状がコントロールできていない症例はない
通院が途絶える原因は、施設入居、他病死などで直接死因はほとんどない

高齢者の多い当院の現在のホルモン療法(ADT)を検討すると、交替療法までの期間は平均3年5ヵ月(一般に2〜3年後)、ホルモン療法処方期間は平均6年8ヵ月でPCRC(去勢抵抗性前立腺癌 一般に5年以内)に至っていない。交替療法では80歳以上が78%、処方期間では2年以上が55%を占めている。よって、PCRCの進行より身体的寿命のほうが先になるようである。

次回はビカルタミド症例、フルタミド症例、ハイリスク症例について記載する。
(ハイリスクとは、PSA20以上、グリーソンscore8以上、病期T2c/T3 のどれかを1つでも満たす症例)

交替療法としての現在のフルタミド18症例について

現在処方中のフルタミド症例の年齢分布、ホルモン治療の経過について示した。
なお、AWSの観察期間は置いていない。2回以上連続PSA上昇があれば交替を考慮している。

<フルタミドによる交替療法の現状>
CAB治療を開始している53例のうち、18例(34%)がビカルタミド使用したなかでnadirに達したのちに上昇傾向を示し、フルタミドに移行している。

フルタミド症例は、平均年齢81.3歳、生検した症例は30例(当院27例、他院3例)、CAB開始時の平均PSAは18.6、症例のnadir平均は0.07、フルタミド移行までの期間は平均3年5ヵ月であった。

変更時の平均PSAは0.17であり、現在のフルタミド処方の平均期間は3年3ヵ月、現在の平均PSAは0.20で維持されている。

フルタミドで0.01以下のnadirに達しているのは10例(56%)であり、交換治療として十分に機能している。

当院の交換療法までの期間は、平均3年5ヵ月で概ね良好であった。

生検ハイリスク症例の処方期間と年齢分布

イクスタンジ(第三選択薬剤)の症例は精阜付近に尿道浸潤が見られたため、従来のホルモン療法は反応が鈍かった。イクスタンジ使用の前に尿道浸潤腫瘍のTURを実施されている。
その後はPSAは下降し安定している。その他6例がビカルタミド処方中、4例がフルタミド交替療法中であり、いずれも安定している。
フルタミド症例1例については治療期間は181ヵ月で漸増傾向にあるもののゆっくりであり、現在PSAは0.182である。

なお、55例の生検実施率は、当院62%、他院8%、無し30%であった。最近、80歳未満は生検を含めて他院に依頼し、80歳以上の全身状態の低下している対象者はMRIを含めた検査で判定してホルモン療法に入っている。従って、当院での生検は今後減っていく。
 
 
 
 
 
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