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診療日記、日々雑感

日々雑感

新薬べオーバに関するメーカー学術の問い合わせについて。

2018-11-20
  過活動膀胱の新薬「べオーバ」がいよいよ11月末に発売される。β3の期待される新薬。当院でも治験を行いましたが、その特徴は緑内障に関する影響が除外されたこと、生殖機能への影響がなく若い年齢層にも使用可能であること、さらに夜間頻尿の改善に有意差が認められたことです。従来より使いやすくなった過活動膀胱の薬ですが、その効果はベタニスとの差は夜間頻尿の有意差が出たこと以外はまだ明確ではありません。しかし、対象は女性がほとんどのβ3刺激薬の治験では、夜間頻尿に有意差を出したことは大きな実績です。これは膀胱が弛緩して容量が増える作用があるからであると推測されています。元々治験対象の50〜60代女性は夜間頻尿が男性に比べて少ないと思われますが、過活動膀胱のため少し多かったのでしょう。でもプラセボ効果も多い治験ですので、それでも有意差が出たことは評価に値すると思います。
  メーカーの学術部門の人が私の排尿機能学会の抄録を参考にして質問に来ました。高齢女性の夜間頻尿は男性ほどではないが、年齢層が上がるに連れて私の発表では男性は治療抵抗性が出てくるが女性ではどうか?との質問でしたが、同じような傾向が出るだろうと言っておきました。だけど、β3刺激剤は抗コリン剤に比べて膀胱容量を増やす効果に特化しており、夜間頻尿にもある程度の効果を期待していると答えました。べオーバが夜間頻尿に有意差が出たことは従来にない成果です。特に男性には期待が大きいと思います。
  もう一つ、抗過活動膀胱薬は、40、50代の女性では治療中の脱落が多い理由として、これから先の人生で長期間これらの薬を飲み続けることは、命に関わる問題ではないので自分の身に振り返って見ても難しいと思うからです。だからひどければ手術で根治しようとするし、軽ければ他の方法で対応するため、薬はオンデマンドに使用されると思う、と答えました。
  新薬でどれだけ売り上げられるかの予測は、企業にとっても我々の集患にとっても興味あるところです。我々も患者さんに寄り添うならば、心理をよく読み取って対応する必要があります。薬はもはや利益を産まない時代であり、大切なのは必要なだけの処方、タイムリーな処方が必要なのです。ただし、患者さんはいったん効果を実感したり納得したりすれば、長期の処方を求めます。しかし、薬は管理があって初めて有効に効果的になるのです。支払い基金は、初めは長期処方を認め、次には長期処方を制限しました。その時その時の事情があるのでしょうが、根底には医療費抑制のためだと思っています。
医療法人 慶水会
都田泌尿器科医院
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