夜間頻尿の正体を読んで来院された患者さんとの問答です。

「なかなか読み応えがあり、辞書のようにして読んでいます。」

「少し量が多くて大変でしょう。冒頭のスローガンだけでも繰り返し読んでチェックしてください。」

「私も代謝を上げるべく、気をつけています。」

本を読んだという患者さんが受診しました。

「結構読み疲れる本でしょう。」

「いえいえ、私は理屈好きで、読んでいて面白いです。代謝を上げること、熱移動の考えが面白かったです。」

「冒頭のスローガンの①〜⑥項目だけでいいですから肝に銘じて暗記してくださいね。そうしたら身につきますよ。」

「一つ質問があります。先生の熱移動であげた参照すべき本『運動生理学』を購入しました。その本の部分で重要な箇所を教えてください。」

「私の重要だと思うのは、安静時の臓器の血液量と、最大運動時の臓器の血液量の変化です。人の身体は絶えず動き変化しているのがよくわかります。血液の臓器への分配が変わるところが面白いです。それを一目でわかる図があります。残念ながら、出版社からこの図の掲載を断られました。」

「これは夜間頻尿とは直接関係がありますか？」

「いえいえ、これは血液移動、熱移動に関する代謝の話です。こうした分配の変化が熱エネルギーを増減させて体温・発汗・熱放散に関係してくるのです。夜間頻尿を少なくするコツは、入眠前では適度の熱量を維持して臨むことです。」

「私は理屈好きなのでとても興味があります。また、読み返してみます。」

「読み返す場合は、夜間頻尿の目標達成シートから辿るとわかりやすいですよ。」

このような理屈好きの人が一人でも増えてくれることを歓迎します。そこには身体の不思議があり、環境温度から身を守る恒温動物の宿命が感じられると思います。