「特に前立腺肥大症を主とする男性排尿障害(LUTS)患者数が数多く通院」
「前立腺肥大症あるいは下部尿路症状(LUTS)の診断過程」
なお、超音波検査は医師が画面を見ながらリアルタイムで解説、説明します。
その結果に基づいて内服薬の服用調整を行います。
さらに、夜間頻尿回数を目安に生活指導を行い、尿量と睡眠の自己管理を勧めます。
問診と排尿内容が食い違う場合には、排尿日誌をつけてもらい、分析します。
その分析結果を処方に反映させ、更なる改善を目指します。
前立腺肥大症の症状改善のための治療順序(当院)
前立腺肥大症の症状改善のための治療順序 (薬物療法主体)
<問診>
IPSSとOABSSの排尿に関するアンケート聞き取りで全体像を調査 解決の順序を決める
排出(排尿)障害、蓄尿障害の程度、比重を知る 前立腺肥大と過活動膀胱症状の比重、バランス
<検査>
患者さんの泌尿器構造を知る 前立腺のサイズ、程度 超音波検査
排出(排尿)機能を知る 勢い、残尿量 尿流測定 IPSS
蓄尿機能を知る 1回排尿量、切迫尿意、失禁 OABSS 排尿日誌
夜間頻尿の内容を知る 回数、覚醒の動機、夜間尿量 排尿日誌
周辺状況を知る 他病の合併、波及、炎症、癌 血液検査 PSA
<薬物治療> まずは、薬剤治療を試みる
排尿障害 1) 排出障害 タムスロシン、ナフトピジル、シロドシン、
タダラフィル デュタステリド
2) 蓄尿障害 プロピベリン、ネオキシテープ、ベオーバ,、ベタニス
ソリフェナジン、フェソテロジン
3) 夜間頻尿(多尿) ミニリンメルト
<薬物効果の確認>
# なめらかな排尿、残尿の減少(50cc以下)、夜間頻尿の改善(1~2回以下)
# 切迫尿意/切迫性尿失禁の改善・減少、夜間頻尿の改善、膀胱容量の増加(200cc以上)
# 第一覚醒時間の延長(3~4時間以上)、夜間尿量の減少、回数の減少(1~2回以内)
<薬物治療内容の順序>
Ⅰ 1)、2) の改善 その結果③が改善
Ⅱ 3) が改善しない場合
* 睡眠改善、中途覚醒の改善 深い睡眠に向けた生活指導
* 夜間尿量の減少に向けた生活指導
* 生活サイクル、運動能力調査、環境、背景
Ⅲ Ⅱで改善しない場合 排尿日誌で夜間尿量の比率調査
夜間多尿治療に向けた適応調査
適応例にミニリンメルト を投与
<薬物治療効果の限界>
薬剤治療で排尿障害(残尿量)と尿失禁の両方がある場合
尿失禁を減らし、ある程度の残尿量、排出障害を残す方向で処方する
両者のバランスがとれず、QOLの改善が見込めない場合、別の治療へ
残尿の改善がない場合 とりあえず留置カテーテル、自己導尿、別の治療へ
<別の治療>
手術療法 TUR他
代替治療
前立腺肥大症の検査所見 (形態検査)
前立腺肥大症関連(LUTS)の処方患者の 年齢分布
「前立腺肥大症 の 臨床的進行と手術」に関すること
<手術に至る危険率>
臨床的進行の危険因子としては,加齢,前立腺腫大,PSA 高値,下部尿路症状, QOL障害,尿流量低下などがあります。
手術に消極的な慢性尿閉の人は、とりあえず自己導尿を勧めています。