診療日記 ( 一開業医の診察室)
「先生、限界です。もう死にたいです。」とぼやく患者さん。 ピンコロ問答! あと五年❗️
2023-11-09
ピンコロ問答
「先生、もう限界です。早く死にたいです。ピンピンコロリと早く逝きたいです。」
「いつもの口癖かな?そう上手くはいきませんよ。」
「腰も痛めてしまい、動くのが嫌になります。何をするのも嫌になります。」
「体力が完全に消耗するまで自立して動くしかないですよ。そのままじっとしていれば人のてを借りなければならなくなるから、体力を使い果たしてコロリと行くのがベストですね。それに突然コロリと行ったら、後始末が大変で周囲に迷惑をかけますよ。」
「突然逝くのもダメですね。現実は厳しいですね!」
「また、体力のあるうちに介護状態になったら、介護施設で人の手を借りて生きながらえる期間が長くなりますよ。そんなことでいいのですか?」
「嫌です。それでは動いてやれるだけはやりますか。」
「できる範囲で動いていれば、自立状態が伸びて、介護の期間が短くなるでしょう。それくらいが、ピンピンコロリに近づく方法です。高齢となりあと数年生きることを意識した時、ピンコロのハードルをどうして超えていけばいいのか、現実の恐怖が一歩先に見えるから辛いですね!環境が許せば最善の方法は動いて体力を使い果たすことでしょうか?とにかく今を生き抜くしかないのかもしれません。」
「………」
体力気力についてあと数年を意識しだす年齢になると、不安と投げやりな気分になることもあり、受け止めねばならないのです。あと5年という超高齢者の心境の背景にどれだけの思いがあるのか、、、、。その時にならなければわかりません。生き抜くことや逝くことのハードルは高く見えるのは間違いないでしょう。5年後に元気な+5歳で通過するように励ましています。そんな問答が増えてます。
元気な高齢者を目指すなら代謝がとても大事です。安静時代謝量は筋肉、脳、肝臓がそれぞれ体全体の約20%の熱エネルギーを生み出し、運動時には筋肉が体全体の約70%を生み出します。老化と共に運動が減って代謝量が減るので、食欲を高め、安静時にはデスクワークに集中し、定期的に筋肉を動かすことで健全性を維持することが大切です。年中汗をかくチャンスを持つことが、健全性を保つには必要なのだと思います。