亀頭包皮炎 裂傷も専門的にみています。 夜間頻尿の目標達成シート|夜間頻尿の正体 探求本
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包皮の亀裂/断裂

慢性亀頭包皮炎(亀裂性/仮性包茎性/糖尿病性/統計データ)

  一見、包茎でない陰茎でもよく見れば包皮の窮屈な部分が存在することがあります。本来包皮先端にあたる包皮の狭い部分で、軽い仮性包茎に相当する状態(隠れ仮性包茎)があると、その最も狭い部分に負担がかかり、慢性疲労性の炎症或いは皮膚萎縮をきたして傷つきやすくなる。最も狭い輪状の部分には慢性的に緊張がかかりやすく裂けやすい。行為の時でも裂けたり、普段のちょっとしたことでも痛みを感じたりしてこれが習慣性となる。この状態に気づかず数年前から悩んでいた、という患者さんの話をよく聞きます。よく見れば輪状亀裂が発生した痕跡がみられます。また、まれに亀頭環状溝と包皮内板のつなぎ目に横に亀裂が入ることがあります。
  一方、糖尿病があると、この隠れ仮性包茎の部分は特に炎症が継続し包皮の狭窄が強くなり、包皮の肥厚、縦状に亀裂し、やがて脱転できなくなり、真性包茎になることもあります。
  なぜ、輪状亀裂と縦亀裂の違いは、前者は長期間で形成される一方で後者は短期間で発生することによるからです。
 
  別の話になるが、そのほか、セックスの際に突然、包皮小体に亀裂/断裂がおこり、出血/痛みがでてくるケースがある。

再発性包皮裂傷について (横亀裂と縦亀裂)

  冒頭で述べたように包皮の最も緊張のかかる部分が疲弊し、炎症を起こしやすくなる。そこに細菌性の炎症が起こると慢性化しやすくなり、伸縮性が失われて裂けやすくなる。細菌性の炎症は、尿に糖が混じっていると勢いづき、より深刻になる。写真は比較的軽い炎症の症例である。多いのは、性行為、オーラルセックスなどによる細菌感染症、B型溶連菌によるものが多いです。勿論、疲労性に裂ける炎症を伴なわない場合もあります。リング状に横に亀裂が入る場合ですが、①仮性包茎の包皮の先端部分が炎症の慢性化によって伸縮性を失い、リング状に横に亀裂が入るパターンが多い。また、その部分に尖圭コンジローマが発生することがあり、線状に多発することもあります。もう一つのパターンは、包皮の内側(内板)が亀頭環状溝から遊離する根元に筋状の亀裂が入る場合で慢性炎症が原因です。
 
  それ以外に、包皮の先端部分に縦に亀裂が入る場合がある。これは先端部分が炎症で劣化し無理に包皮を脱転すると縦に裂けるパターンで、特に糖尿病の包茎患者に多い。最近では、尿に糖を出すことで血糖値を下げる「SGLT2阻害薬」を服用している患者さんで、包茎、仮性包茎の人は要注意です。炎症が長引くと、仮性包茎でも脱転不可能(むけない状態)の真性包茎になっていることもある。逆に、包皮の傷を診て糖尿病が推測できる場合もある。一旦治癒しても、糖尿状態は続くため、日常の管理が不十分だと亀頭包皮炎の再発、悪化が必至となります。(この写真を次の項目に示します。)
 
  多くの患者さんを治療した経験からのお話である。きちんとすれば治療で改善する。

糖尿病患者の慢性亀頭包皮炎 (縦状亀裂)

 糖尿病で尿糖が4+の患者さん。
 包茎の包皮を抵抗を感じながら脱転していると、亀頭周囲にいくつもの亀裂が発生してしまった例です。亀頭も赤くただれ、典型的な慢性炎症像を示しており、一部白い付着物もあります。
このような包皮の亀裂を見れば、まず尿糖の程度を確認。それが強陽性であれば糖尿病を推定できます。常に高濃度の糖分を含んだ尿にさらされ続ける、言わば砂糖漬けの状態の包茎(仮性包茎も含む)の人に起こりやすい病態です。慢性の細菌性亀頭包皮炎が長期にわたると発生します。
 先日も30代の糖尿病未自覚、未治療の縦亀裂、慢性亀頭包皮炎症例が来院。尿糖4+で、一見して糖尿病とわかる症例でした。更に初期の感染の特徴として外尿道口周囲のみが発赤、糜爛あり、白い膜は付着しておらず亀頭環状溝付近はほぼ正常な状態でした。その時の採血では血糖値は500を超えていることが後で判明しています。 
 尿糖が強陽性でも、勿論炎症がおきない場合が多いのですが、細菌感染のきっかけさえなければ大丈夫です。一番多いのが性的接触による感染と思われます。主な原因となる病原菌は、Streptococcus agalactiae (B群)すなわち

B群β(ベータ)溶血性連鎖球菌の場合が大半を占めます。これは人体のどこでも存在する細菌ですが、状況によっては病原性をもって感染を起こすのです。

 
 未治療の糖尿病の人や、糖尿病治療で糖を尿に排出させる薬「SGLT2阻害薬」を処方されている人にもよく見かけます。その場合、別の作用機序の薬に変更してもらうようにするか、徹底的な排尿の自己管理を指導しています。そうしないと治療で一度は改善しても背景がかわらないため、再発は必至であるからです。
 では、なぜ尿糖が出続ける糖尿病の人に慢性包皮炎が好発するのでしょうか? それは細菌の継続的発育に適しているからです。包茎に囲まれる場所は温かく、湿っており、糖分が多く含まれる尿が付着することから、細菌の発育条件がそろっているからです。陰茎、陰部のかぶれは皮膚科より泌尿器科が、そのイメージと経験に於いて詳しいのが一般的です。
 
 慢性の亀頭包皮炎が続けば、真菌(カンジダ)の合併が生ずることもあり、その場合、細菌感染の治療をしても改善せずに白い付着物が残る場合が多いようです。写真の例はその1例です。擦ればとれる白いのは恥垢ですので除外できます。擦ってもとれにくい場合が真菌のようです。長引かないようにしましょう。
 
 治療は抗生剤内服と適切な軟膏塗布を行えば1〜2週間で劇的に改善します。白い付着物が残ったり長引く場合はカンジダの合併する確率が高いです。以前仮性包茎であった包皮が炎症性萎縮で真性包茎になってしまったものでも、仮性包茎の元の状態に戻ります。ただし、糖尿に暴露され続ければ再発は必至ですので、自己管理を続けなければなりません。自己管理が適切に行われれば、手術の必要は避けられるケースが多いし、当院は積極的になお勧めしていません。特に年長者は理由をキチンと理解して自己管理することをお勧めします。それを実行することで全体的な健康志向の意欲を助長することになるからです。
(https://miyakodaclinic.jp/pages/1/#block379 も参照がおススメ。

2019年7月の当院における亀頭包皮炎症例を統計分類しました。

<2019年7月>の当院における亀頭包皮炎で受診した症例は49例であり、年代別分類、罹患状況の分類、糖尿病との関連性について統計的に見てみました。今まで見過ごしがちであった背景について検討していきます。
統計的に見ますと、20代、30代、40代が多く、高齢者にも少なからず見られます。亀頭包皮炎の多くは急性の炎症性発赤、ビランが大半ですが、慢性的な包皮炎として仮性包茎の包皮の輪状、横断亀裂や、糖尿病による慢性炎症、肥厚、縦状亀裂がみられます。この亀裂は合わせて2割弱に見られました。急性炎症ほどではありませんが、一旦はすぐに治ります。しかし、原因に対応できてないと徐々に再発します。小児にも見られますが、慢性炎症が続けば包皮萎縮による真性包茎になってしまうこともあります。
 
<2019年8月の集計>
亀頭包皮炎36例   そのうち糖尿病性亀頭包皮炎は4例、仮性包茎による輪状亀裂は8例にみられ、縦状亀裂の症例はありませんでした。
 

糖尿病性亀頭包皮炎 2019年7月集計

糖尿病による糖尿でおきる亀頭包皮炎は2019年7月に初診例が6例にみられました。慢性的な亀頭包皮炎、縦状亀裂、包皮肥厚、後天的な真性包茎がみられますが、その分類をしてみました。縦状亀裂は3例に見られました。もう少し長期的に見てみたいと思いますが、良くなれば来院は無く、再燃すればまたその時に来院するという傾向があります。年齢が中高年から高齢者に多い傾向があります。

包皮小体の断裂

包皮小体の亀裂/断裂

俗に裏筋と言われる亀頭の裏と包皮を引っ付けているを「包皮小体」又は「陰茎小体」と云いますが、性交時に断裂することがある。写真の①と②はもともとひっついていた部分であり、これが裂けて離れたことを示している。
これを修復させることは、早朝勃起などもあるためになかなか難しい。
断裂がないまでも亀裂が入り傷ついて痛む場合もあります。
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医療法人 慶水会 都田泌尿器科医院

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